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睡眠中の口呼吸で、う蝕リスク増大

新しい研究によると、睡眠中の口呼吸は、正常な睡眠中呼吸と比較して口腔内のpH低下に関係していると示唆され、歯の浸食やう蝕の原因因子として提起されている。(Photograph: baranq/Shutterstock)

ニュージーランド・ダニディン:睡眠中に鼻ではなく口で呼吸する人たちは、歯のう蝕(虫歯)のリスクが増大することが、オタゴ大学の研究で明らかとなった。研究によると、睡眠中の口呼吸は口腔環境をより酸性にし、それによって歯のエナメル質の浸食とう蝕が促進すると考察された。

 口呼吸が口腔内pHレベルにどのくらい影響するかを計測するために、オタゴ大学John Walsh調査研究所の研究者らは、10人のボランティアに対して、睡眠中に強制的に口呼吸になるノーズクリップを付けて、あるいは外した状態で調査を行った。4日間にわたり、上顎中切歯の口蓋側面のpHと温度が計測された。

 研究者らは、日中と夜とでpHおよび温度の変化パターンに顕著な違いを見出した。「全ての参加者で、口腔内pHは睡眠時間中にゆっくり減少した。しかし、参加者が口呼吸を強制された状態では、より長時間にわたってより大きな減少を示した」と、研究の筆頭著者で大学の博士課程にいるJoanne Choiは述べている。

 強制的な口呼吸の平均pHは弱酸性の6.6で、鼻呼吸の場合は中性の7であった。口呼吸を強制されている間、時としてpHレベルは3.6にまで落ちたとChoiは強調し、「この発見は、口呼吸が実際にエナメル浸食やう蝕といった歯の疾患の原因因子になりうるという考えを支持するものだ」と結論づけている。

 Choiによると、この研究は、継続的に数日間にわたり、健康な個体の口腔内pH変化をモニターした最初のものだという。口腔内pHレベルが5.5というのは不飽和と見なされ、う蝕を誘発する。酸性の口腔状態は一般に好酸性細菌の増殖を促進し、したがって、口腔内に有害なバイオフィルムを形成する。

 “Intraoral pH and temperature during sleep with and without mouth breathing(睡眠中の口呼吸の有無による口腔内のpHおよび温度)”というタイトルのこの研究は2015年12月15日、Journal of Oral Rehabilitation誌に掲載された。

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