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歯の衛生週間でホルモン変化に関連する口腔健康リスクを強調

オーストラリア女性の大半が、思春期、妊娠期、更年期のホルモン変化に関連するリスクの増大を認識していないことが、オーストラリア歯科医師会(ADA)の調査により判明。(写真:MJTH/Shutterstock)

オーストラリア、シドニー:8月1日から7日はオーストラリア歯科医師会(ADA)による毎年恒例の「歯の衛生週間」。今年はその一環として、ホルモン変化がどのように女性の口腔健康に悪影響を及ぼしうるかに着目し、同歯科医師会が新たな調査に基づく驚くべき結果を発表した。回答者の54%が妊娠中に歯科医の診療を受けることが危険であると考えており、思春期の少女の67%、更年期の女性の70%は、歯科疾患があるにもかかわらず歯科医院に通院していないことが明らかになった。

思春期、妊娠期、更年期のホルモン変化によって、歯肉の出血、腫脹、炎症が起きやすくなり、歯周病とその結果として歯を喪失する可能性が高まることが、諸研究により明らかになっている。この点について、オーストラリア女性歯科衛生調査によれば、オーストラリアの思春期にある少女の67.1%は定期的に歯科医院に通院しておらず、更年期に入っている女性の48.9%は歯の知覚過敏(26.9%)やドライマウス(14.4%)などの歯周病の徴候を経験していることが明らかになった。しかし、このような重度な症状があってもなお、70%は6ヵ月ごとの通院をしていないことがわかった。

さらにこの調査では、妊娠中の正しい口腔ケアの方法について、大きな誤解があることがわかった。ホルモンの変化に加えて、妊娠女性は ”つわり” で苦しむことが多く、間食や糖分への欲求が強まる。これらはいずれも口腔疾患の発症リスクを高める。しかしながら調査では、女性の二人に一人が妊娠中に歯科医院に通院するのは危険であると思い込んでいる。しかし、実際には歯科医院での定期的な検診は安全であるばかりでなく、人生の大切な時期の口腔健康を良好に保つためにも重要なのである。

調査による知見を受けて、歯科医師でありADAの口腔衛生委員会の議長であるDr. Peter Alldrittは、「妊娠期は女性の人生において重大な時期である。口腔衛生を維持することは、良好な健康状態の維持にも直接関わってくる。女性が毎日のブラッシングやデンタルフロスを行うことに加え、歯科医院への通院など、歯の保存に役立つ適切な予防措置をとることによって、歯周疾患や歯の損傷を予防することができます」と呼び掛けている。

この調査結果の発表は、「歯の衛生週間」の一環として行われた。この口腔衛生キャンペーンは、オーストラリアの女性に、生活のあらゆる面で口腔ケアの維持が重要となることについて伝え、歯科医療従事者同士の協力関係をすすめ、さらに口腔ケアを促すきっかけとなったと期待している。

詳細情報はdentalhealthweek.com.au。
 

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