DT News - Japan - 受動喫煙で小児のう蝕リスクが増加

Search Dental Tribune

受動喫煙で小児のう蝕リスクが増加

小児のう蝕予防のために確立されている方法は、受動喫煙ではなく、主に砂糖の制限、経口フッ化補充、フッ素塗布などに焦点が当てられている。(Photograph: Halfpoint/Shutterstock)

京都:いくつかの研究で受動喫煙とう蝕(虫歯)の関連について示唆されているにもかかわらず、受動喫煙を減らすことが小児のう蝕予防に寄与するかについては、まだ定かではない。しかし、生後4カ月でタバコの煙に曝露された乳児は、喫煙のない家族の子供と比較して3歳でのう蝕のリスクが増加を示したことが、このほど日本の研究で明らかとなった。

 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻の研究者らは、2004~2010年に生まれた小児7万6,920人のデータを分析した。すべての小児が月齢0、4、9、18カ月および3歳での定期的健康診断を受けた。妊娠時から3歳までの受動喫煙曝露に関する情報や、食習慣、口腔ケアといったライフスタイルに関する情報は、アンケート調査を通じて収集された。

 調査された小児の55.3%が月齢4カ月で同世帯の家族により受動喫煙に曝され、6.8%にはタバコの煙に直接曝された証拠があった。研究者らは後者を小児の前での喫煙と定義した。調査全体として1万2,729件の歯のう蝕があり、主に(治療前の)虫歯であった。

 喫煙者の家族がいない者と比較して、月齢4カ月でのタバコの煙への曝露は、3歳時でのう蝕リスクがほぼ2倍に増加していた。妊娠中の母親の喫煙の影響は統計的に有意ではなかったのに対し、家庭内喫煙に曝される小児ではう蝕のリスクが増加した。

 これらの知見は因果関係を確立することができないが、受動喫煙を減らすために公衆衛生および臨床的な介在を拡げる助けになると、研究者らは結んでいる。

 保健統計では、乳歯でのう蝕のレベルが、先進国の中では高いままであることが示されている。研究者らによると、米国では2~5歳児の20.5%にう蝕の経験があるのに対し、日本では3歳児の4分の1にう蝕の経験があるという。

 “Secondhand smoke and incidence of dental caries in deciduous teeth among children in Japan: Population based retrospective cohort study(日本の児童における受動喫煙と乳歯う蝕の発生率:人口ベースの後ろ向きコホート研究)”というタイトルのこの研究は、BMJ誌10月21日号に掲載された。

To post a reply please login or register
advertisement
advertisement