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エンブリー・リドル航空大学 Ginger Pinholster氏
ロボットによる歯科診療に対する患者へのオンライン調査は、多数のエンブリー・リドル研究プロジェクトの1つであり、その結果が3月26日~28日にボストンで開催された2018 International Symposium on Human Factors and Ergonomics in Health Care会議で発表された。
人間工学の専門家であるStephen Rice氏の報告によると、502名(女性260名)を対象とするオンライン調査の結果、参加者は「ロボットが行うとしたら、歯肉手術や根管治療など侵襲性が高くなる手技は避けたい気持ちが強くなるが、歯面清掃やホワイトニングなどの手技であれば、受けてみたいという気持ちがかなり高くなる」と回答した。
また、Rice氏と共同研究者である大学院生によると、歯科診療が自律型ロボット歯科医では半額になるというオファーになると、参加者の受けてもいいという気持ちは高まったとのことである。
2017年、中国のロボット歯科医が2本の歯科インプラントを1人の女性の口内に埋入した。さらに、フロリダ州マイアミを拠点とする企業、Neocis社が昨年、ロボットが支援する歯科手術システムYomiの販売について、米国食品医薬品局(FDA)からクリアランス承認を取得したと発表した。
ロボットは、今日、社会のさまざまな場で当たり前になってきたため、「自動化技術に対する消費者の認識を理解することが重要」と、HFESのポスター発表の筆頭著者であるエンブリー・リドル航空大学大学院生Emily Anania氏は語った。「人々が常に新しい技術を受け入れるわけではありません。多くの研究から分かったことですが、例えば、無人自動車や航空機の自動操縦技術には、一部の人々が恐怖や怒りの反応を示しています。このような技術に対する支持を高めるためには、人々の自動技術というものに対する認識に関する見識を高めることが不可欠になるでしょう」。
エンブリー・リドル航空大学による患者の認識調査は、Rice氏と同大学のフロリダ州デイトナビーチキャンパスの学生5名が実施し、参加者全員には、ロボットによる歯科診療は現在テスト中であることを伝えた。次にこの調査では参加者に対し、歯面清掃、抜歯、根管、歯のホワイトニング、シーラントの充填、歯冠修復、ボンディング、歯周外科手術、歯列矯正、歯の充填の10通りの手技をロボットに行わせたいか尋ねた。
次に、参加者に類似の質問をしたが、この調査では動機として「かかりつけの歯科医院で、すべての歯科処置をロボットが行ってもよいなら半額にしますと歯科医から提示された場合を想像してみてください」と付け加えた。「ロボットは自律的に(人間が介入することなく)処置を行います」と伝えた。
研究グループの報告によると、概して回答者の51%がロボットによる歯科診療にやや反対、または強く反対と答えた。回答者は特に抜歯や根管治療、歯周外科手術のような侵襲的治療に対して慎重で、66%がやや反対または強く反対と答えた。女性回答者のほうが一般的に、ロボットによる歯科診療を受けたがらないようだ、とAnania氏は語った。
参加者の消極的姿勢が軽くなる処置は2つで、歯面清掃とホワイトニングに対しては、定額でも反対する回答者はわずか32%であり、83%は半額になるのであれば、処置を受けたいと回答した。
ロボット歯科医には、さまざまな歯科処置においてその精度を向上させる可能性がある、とRice氏は語る。この技術は、へき地や医療サービスの整っていない地域での歯科診療へのアクセスを、向上させることができる。最後に、航空機の自動操縦装置によりパイロットが安全面に集中できるようになるのと同様に、ロボットが歯科医を解放することで、診療内容および診療手順は、継続的に改善されるだろう、とRice氏は付け加えた。
HFEH会議の「消費者のロボット歯科医受け入れに影響する因子」で発表するこの研究は、RiceおよびAnaniaと、フェローの大学院生Mattie N.Milner、Nadine Ragbir、Matt PierceおよびNathan W.Waltersが作成した。
出典:DT U.S. June/2018
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