豪・メルボルン:人類における歯の大きさの変動は、主として自然淘汰と何世紀にもわたる食生活の変化に起因すると考えられている。しかし、こうした変化の基本的なメカニズムは、現在まで完全に明らかにされてはいない。研究者らはこのほど、哺乳類の相対的な歯の大きさが、簡単な規則に沿ったものだということを明らかにした。その規則を用い、ヒトの化石や絶滅したヒト亜科から喪失歯の大きさを予測し、ヒトの歯列における将来の進化の手がかりを提供している。
研究は、フィンランド、ドイツ、英国、米国からの人類学者と発生生物学者からなる国際チームの指揮のもと、モナシュ大学生物学部(豪州)のAlistair Evans博士に主導された。ヒトの歯の大きさの進化を分析するために同チームは、ヒト亜科化石および数十年にわたり集められた原生人類の広範囲に及ぶ新たなデータベースや高解像度の3D画像技術を使用した。
彼らは、相対的な歯の大きさを解明する数理モデルである抑制性カスケードが、ヒト亜科における下顎犬歯より後方の第一生歯の大きさの、初期パターンを生み出すのを見出した。「抑制性カスケードとサイズパターンの関係に基づいて、1本の歯の大きさと位置から、ヒト亜科における残り4本の犬歯後方の歯列の大きさを予測できる」と彼らは説明している。
研究結果は、ヒト亜科化石の解明や人類進化の動力の可能性の探査に利用できる。「化石では2~3本の歯しか発見できないことがある。この新たな洞察で、失われた歯がどのような大きさであったか、確かな見積もりを行える。初期のヒト亜科であるアルディピテクスがいい例で、第二乳臼歯がずっと発見されていないが、いまやその大きさを予測することが可能だ」とEvansは述べている。
「この新しい研究は、パターンが当初の予想よりずっとシンプルで、人類の進化はかなり限定的なものだったことを示している」と彼は結論づけている。
“A simple rule governs the evolution and development of hominin tooth size(人類の歯の大きさの進化と発展は単純なルールに因る)”というタイトルのこの研究2月24日、Nature誌オンライン版に掲載された。
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