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歯周病進行に対する肥満の悪影響は遺伝により増幅する

炎症の鍵となるメディエーター「インターロイキン‐1」の遺伝的変異の測定が重度歯周病のハイリスク患者の特定に役立つ(写真:gopixa/Shutterstock)

米国、ボストン:BMIの高い人ほど歯周病を発症しやすいことが諸研究から示されている。また、肥満は非外科的歯周治療に対する反応にも悪影響を及ぼす可能性がある。最近発表された研究では、これらの知見と一致して、肥満の患者、特に特定の遺伝的変異体をもつ男性が歯周炎発症のリスクが高いことが示されている。

インターロイキン‐1(IL-1)の遺伝子変異体の特定パターンは、歯周炎の重症度に影響を与えることが知られている。それらが肥満と歯周炎の進行との関連に影響を与えるかどうかを評価するため、292人の男性(登録時29~64歳)からDNAを採取した。また、約3年ごとに最長27年間、多数の検査を通して参加者たちの歯科および身体計測エンドポイントを収集した。

分析により、IL-1の遺伝的変異と歯周病進行を予測する肥満関連形質との有意な相互作用がみられた。肥満かつIL-1陽性の参加者たちは、これらのリスク因子をもたない参加者に比べ、歯周病が進行する可能性が70%高くなっていた。

「この研究は、IL-1陽性の肥満患者が、より効率的な歯の管理によって恩恵を得られるという、さらなるエビデンスとなる」。Interleukin Genetics社のCEO、Mark B. Carbeau氏はこう話したあと、「これらの知見に基づいて、このハイリスク集団のための指導用・関連製品の拡大をわが社のラインナップに取り入れている」と付け加えた。

ボストン大学歯学部(Henry M. Goldman School of Dental Medicine)は、慢性炎症の遺伝学を専門とするライフサイエンス企業「Interleukin Genetics社」と共同で研究を行った。同社は慢性疾患と健康状態の遺伝子検査シリーズを開発・販売。例えば「PerioPredict」は、2013年に導入された歯周病感受性の遺伝子検査である。

この研究は、「歯周炎の進行に対する肥満の影響はIL-1炎症性遺伝的変異を条件とする(Influence of obesity on periodontitis progression is conditional on IL-1 inflammatory genetic variation)」というタイトルで、米国歯周病学会の公式刊行物「Journal of Periodontology」の8月19日電子版に掲載された。

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