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世界最優秀GK、蝋人形用に歯の型取り

蝋人形師たちは人形の歯の色を正しく決定するために、歯科医のようにVITA Toothguideを使う。(Photograph: Madame Tussauds)

独・ベルリン:現在の世界最優秀ゴールキーパーであるマヌエル・ノイアーは、彼の蝋人形制作のための採寸をされた。蝋人形はまもなく、ベルリンのマダム・タッソー蝋人形館に展示される予定だ。ロンドンから来た蝋人形師たちには、身体のサイズや目、毛髪の色に加えて、蝋人形を実物そっくりの笑顔にするために歯の型取りも必要だった。

  今年のW杯でチームと共に勝利を収めた28歳のゴールキーパーは、世界最優秀ゴールキーパー(2013)、ドイツ年間最優秀サッカー選手賞(2011、2014)、ゴールデングローブ賞(2014)、UEFAチャンピオンズリーグ優勝(バイエルン・ミュンヘン、2013)など、たくさんのタイトルを手にしてきている。

  「マヌエル・ノイアーは最も人気のあるサッカー選手のひとりで、W杯以降は、館を訪れる方たちからリクエストが一番多いのです」と、話すのはベルリンのマダム・タッソー館・総支配人のSandra Schmalzried。「できれば世界チャンピオンをチームで展示したかったのですが、残念なことに1体あたり20万ユーロなので不可能なのです」。こうして、ノイヤーの蝋人形が代表チーム全体を象徴することとなった。

  必要な採寸箇所を網羅するため、3つのマダム・タッソーチームが装置・道具の箱をいくつも携えてはるばるロンドンからやってきた。巻尺とキャリパーで226カ所を採寸し、ノイアーの頭と体を異なる角度からとった写真の枚数は150枚以上であった。カラースケールを使って彼の皮膚、毛髪、目の色も測定された。

 外部歯科技工所作成の義歯  

 身体の小さな部分であっても、蝋人形の歯というのは、精密な作業と歯科技工所の協力を必要とする。「採寸のために有名人の方に会う際、我々は歯科模型のようにシリコンやパテを使って歯科印象を作ります。そして、歯科技工所にそれをすぐに送り、複製して義歯を作るのです」と、マダム・タッソーの蝋人形師はDental Tribune ONLINEに説明した。

  「我々はまず、アクリル製の義歯と蝋製の歯肉を受け取ります。それらを分析、観察し、寸法を確認します。そしてそれら(歯と歯肉)を首から挿入して、蝋製の頭部に収まるかを試します。上席の彫刻家に承認されると、それを歯科技工所に加工処理のために送り返します。蝋製の歯肉はハードアクリルに置き換えられ、義歯の製造にはある種の樹脂が使われます。完成品ができあがると、蝋製の頭部にきちんと収まるように再び首から挿入します」。

  歴史上の人物で、蝋人形師が直接会って歯科印象をとれないような場合は、その人物の歯のリサーチが行われる。彼もしくは彼女の写真を集め、歯肉の色が写っている笑顔の写真を収集していくのだ。彼らは等身大に写真を引き伸ばし、採寸値や歯と歯肉の形など、彼らが照合した情報を基に歯科技工所が義歯セットを作る。そして常に解剖学的見地から、実際の頭部で論理的に歯が機能するかを確認しながら作業が行われる。

 人柄や性格をうつし出す蝋人形

  採寸の間、蝋人形師たちはノイアーをじっくりと観察した。観察は彼の表情や動きなどの細かい部分におよび、のちに蝋人形制作過程で彼らの助けとなる。蝋人形師たちの狙いは、ノイアーの個性や特徴をどのように蝋で捉えるか、である。彼らはまた、ノイアーと一緒に蝋人形のポーズについても話し合った。 

 これから4カ月間、最大20人の蝋人形師がロンドンのマダム・タッソー館スタジオで作業を行う。完成ののちノイアー蝋人形は、有名なドイツ人サッカーアイコンであるオリバー・カーン、ユルゲン・クリンスマン、メスト・エジルとともにベルリンで展示される予定だ。

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