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米・ダーラム(ノースカロライナ州):いくつもの研究により、口腔衛生や定期的な歯科受診が老化による認知力低下を遅くする役割を担うと示唆されてきているが、口腔衛生と認知力の関連性は、完全に解明されているわけではない。デューク大学(米)で主導されたシステマティックレビューによると、一方がもう片方に及ぼす影響が、決定的なものではないことがわかった。
「口腔衛生問題の発生頻度は、認知障害のある高齢者、特に認知症の人において顕著に増加することが臨床的エビデンスより示されている。また、栄養失調や糖尿病、循環器疾患といった口腔衛生の悪さと関連する多くの要因もまた、認知機能悪化と結びついている」と、同大学看護学科老年病学のProf. Bei Wuは述べている。
Wuらは、1993~2013年に出版された横断的かつ長期的でこのテーマに関連性のある56の研究を分析した。いつくかの研究では歯の数やう蝕(虫歯)の数、歯周病の有無といった口腔衛生の測定項目を用い、認知低下や認知症のリスク増大と関連付けられていたが、その他の研究では、関連性を確定することができていなかった。同様に、認知低下が常に多数の歯喪失やう蝕の数と関連づけられているわけではなかった。研究者らは、方法論的限界が一貫性のない知見の説明に大きな役割を果たしているとしている。
「今日現在、認知機能と口腔衛生の関連を結論づけるのに十分なエビデンスはない。今後、研究者らがより大きな人数、サンプルでデータを集め、標準的な認知機能評価と口腔衛生の測定項目を用い、洗練されたデータ分析を行うことを推奨する」とWuは結論づけた。
米国における65歳以上の高齢者数は、20年後には倍の7,200万人になると推測されており、2030年には、米国人口のおよそ20%を占めると言われる。米・疾病対策予防センター(CDCP)によると、認知機能障害のある人は米国で1,600万人以上になるという。
“Association between oral health and cognitive status: A systematic review(口腔衛生と認知状態の関連性:システマティックレビュー)”というタイルのこの研究は4月1日、出版に先がけAmerican Geriatrics Society誌オンライン版に掲載された。
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