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口腔衛生状態が悪い英サッカー選手

イングランドのサッカー選手の多くが、歯のう蝕、酸蝕症や歯周病の影響を受けている。(Photograph Mitch Gunn/Shutterstock)
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火. 20 10月 2015

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英・ロンドン:昨シーズン、プレミアリーグの収入は35億ポンド(英)以上にのぼり、新記録であった。しかしながら、この金額のほとんどが歯科治療には費やされなかったようである。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのイーストマン歯科研究所の最近の研究によると、イングランドのトップ3ディビジョンの選手の多くが、さまざまな口腔疾患を有していることが明らかとなった。

 British Journal of Sports Medicine誌の最新号によると、歯科健康診断を受けた3分の1以上の選手にう蝕(虫歯)があり、2人に1人は歯牙摩耗であった。歯周病はそれほど蔓延しておらず、20人に1人が中~高程度の状態であった。

 この研究には、プレミアリーグ(優勝最多のマンチェスター・ユナイテッドを含む)、チャンピオンシップ、リーグ1の3つのディビジョンに所属する184人の選手が参加した。研究者らは各上位チームの9割の選手の歯と歯肉を診察し、口腔疾患がどのようにQOL(生活の質)やパフォーマンスに影響するかを質問した。

 調査では、歯や歯肉の問題はピッチ上のパフォーマンスにほとんど影響がないとみなす選手が大多数であることがわかった。

 しかし、5人に1人の割合で、歯科衛生状態に関連する痛みによりQOLに影響があるという回答であった。

 「スポーツ選手にとっての口腔衛生は、一般の人々よりも重大な問題であり、この問題をよりよく理解するために互いに助け合い協力することは、多くのプロサッカークラブにとって大きな功績となる。この調査に参加することは、クラブが更なる口腔問題を予防したり治療するための適切な介入を実行する際の助けとなる」と、調査に協力したウェストハムユナイテッドのメディカル・スポーツ科学代表を務めるStijn Vandenbrouckeはコメントした。

 ウェストハムは定期的に、オフシーズン・プレシーズンでの歯科医師の予防的介入を実施している。

 稀なことではあるが、口腔衛生ケアは直接的に試合に影響することがある。昨シーズン、チェルシーのミッドフィルダーで年間最優秀選手を獲得したエデン・アザールは、第3大臼歯の痛みのため、クラブのタイトル獲得が決定するシーズン最終節の試合を欠場した。口腔関連疾病の影響を小さくするためには、プロスポーツにおける口腔衛生促進という新しい戦略が必要であることを研究者らは示唆している。

 「ウェストハムのようなクラブが、すでに自分たちの医療課題の最前線に口腔ケアを置いて、既存的介入の中に知見を含み構築していることを我々は喜んでいる。他のチームもこれに倣い、確固たる口腔衛生のスクリーニングや促進を、基本的で定期的なプログラムとして組み込むことを望んでいる」と、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのイーストマン歯科研究所の修復歯科学およびEvidence-Informed Healthcare教授のDr Ian Needlemanは述べている。

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