スウェーデン・ウメオ:閉塞性睡眠時無呼吸や嚥下障害、言語障害といった障害における上気道の筋肉機能を調査し、より良く理解しようとしていたスウェーデンの研究者らは、口腔の軟口蓋にある特異な筋肉群を発見した。興味深いことに、新たに発見されたこの筋肉群は、いびきをかく人や睡眠時無呼吸患者に多く存在するように見受けられた。
研究ではウメオ大学の研究者らが、いびきの振動や組織の伸展が上気道神経筋の損傷を起こし、閉塞性睡眠時無呼吸や嚥下障害を生じるかどうかを調査した。健常者と閉塞性睡眠時無呼吸の患者の双方の筋肉を比較すると、いびきをかく人と睡眠時無呼吸に悩む人たちには特異な筋肉群が発見され、それらの筋肉群は小児、成人ともに口腔の軟口蓋にあった。
「これらの特異な筋肉群は、欠損した、あるいは修正設計された数種の主要な蛋白質からなる特別な分子を有しているが、驚くべきことに、こうした蛋白質の欠損は、遺伝的な筋肉疾患でのみ報告されている」と、ウメオ大学統合医学生物学のDr Farhan Shahは説明する。
この新たな発見は、上気道の解剖生理学的進化の特殊化に対する深い洞察をもたらした。Shahによると、今後の研究課題は、筋肉群と細胞構築の生体力学的特性の説明、そして口腔咽頭筋における機能と病理学的評価であるという。
「我々の発見は有意義であり、将来、より成功した治療戦略につながることを期待している。長い道のりの一歩ではあるが、重要な一歩である」と、統合医学生物学准教授のPer Stålは締めくくっている。
この研究結果は11月24日、“Unique expression of cytoskeletal proteins in human soft palate muscles(ヒト軟口蓋筋肉における細胞骨格蛋白質の特異な発現)”というタイトルでJournal of Anatomy誌オンライン版に掲載された。
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