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非侵襲性の液体生検技術で大腸がんスクリーニングが容易に

スペインのAWSensors社が開発した新しい液体生検方法は、現在の酵素ベースの検出システムよりもDNAやその変異の正確な検出を可能にする。(Photograph: Jezper/Shutterstock)

スペイン・バレンシア:唾液および血液を循環する腫瘍由来のDNA(ctDNA)の早期かつ迅速な検出が、新規の液体生検方法でまもなく可能になる。信頼性が高いがん診断および腫瘍組織生検のために使用されている現在の方法と比較して、新しい方法は、より正確で非侵襲的であり、1時間以内に結果を提供する。

 欧州LiqBiopSensプロジェクトとの関連でスペインのAWSensors社によって開発されたLiqBiopSensは、がんとの闘いに革命をもたらすことになるかもしれない。即時の分析を可能にする、バレンシア工科大学(スペイン)が特許を持つクオーツマイクロセンサー技術を組み込んだ高感度の分子検出システムが、血液や唾液など体液のバイオマーカーの分析に基づく信頼性のあるDNA突然変異の検出に結びついた。

 非常に迅速であることに加えて、LiqBiopSensは現在の酵素ベースの検出システムと比較してDNAおよびその突然変異のより正確な検出を実現し、非専門家による取扱いも可能であるとAWSensors社は述べている。

 同社によると、固形腫瘍が血中にDNAを放出し、ctDNAによる負荷が病期や予後に相関することは長く知られてきたが、DNA分析における感度と精度の最近の進歩で、ctDNA調査による腫瘍中の体細胞変化の遺伝子型判定がようやく可能になったのだという。

 LiqBiopSensは2016年から3年間、アンダルシアの病院で大腸がん患者の血液サンプルを使ってテストが行われる。研究チームによると、腫瘍動態を即時にまた早期検出で追跡する液体生検技術の成功的導入は、臨床医のがんとの闘い方を革命的に変えるものだという。

 がんの型や範囲を同定する現在の方法は組織生検で、小さな組織片が疑わしい腫瘍から採取され、組織学的に検査される。患者に痛みを与える可能性に加えて、組織生検はある時点における1枚のスナップ写真であり、有意な選択バイアスに依存するものだと、研究者らは述べている。

 歯科における医学的スクリーニングの実施についてはすでに検討され、予防医学上の効果的なコンポーネントであり、歯科と医科の学際的な協力であるという点から、LiqBiopSensのような唾液による診断法は将来、プライマリケアにおける歯科を発展させるものである。

 AWSensors社は、バレンシア工科大学の研究者らによって創設されたハイテク企業で、基礎や前臨床医学、工業研究用の高精度の計測機器を、開発、製造、販売している。

 LiqBiopSensの技術を進めるために同社は、欧州委員会のHorizon 2020プログラムの一部として2百7十万ユーロの助成を受けている。

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