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緑茶が口腔がんに効く可能性

お茶は世界で最も古く人気のある飲料のひとつで、緑茶は日本と中国で一番親しまれている茶葉だ。(Photograph: zirconicusso/Shutterstock)
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木. 5 2月 2015

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米・ペンシルベニアユニバーシティパーク:茶葉に含まれる化合物であるポリフェノールは腫瘍細胞増殖の阻害を示すことが知られているが、お茶の摂取とがん予防に関する臨床試験は実施された数が少なく、結果は決定的ではなかった。しかし新たな研究により、特に緑茶のポリフェノールはがん細胞死の誘導サイクルの引き金になり、口腔およびその他の種類のがんの新治療法開発に使用可能なことが明らかになった。

 今回の研究でペンシルベニア州立大学の研究者らは、緑茶に含まれる化合物であるエピガロカテキン3-ガラート(EGCG)が、その他の組織を傷つけることなく口腔がん細胞を死滅させることを見出した。彼らはペトリ皿で正常細胞とがん細胞を成長させ、緑茶チューイングガムを噛んだあとの唾液に見られる濃度のEGCGにそれらを曝した。すると、酸化ストレスと抗酸化応答の徴候についてのテストで、EGCGがミトコンドリアにおいて細胞死へ導くプロセスを引き起こす引き金になることを示した。

 同大学食品科学准教授のDr. Joshua Lambertは「EGCGががん細胞の中で活性酸素種の形成を引き起こし、それがミトコンドリアに損傷を与え、ミトコンドリアはより多くの活性酸素種を作るという反応を示す」と説明している。

 一方、正常細胞ではその効果が見られず、細胞の保護能力が高められたように見えたという。

 加えて、蛋白質サーチュイン3(SIRT3)がプロセス中で重要な役割をしていることも見出された。Lambert氏は、EGCGががん細胞と正常細胞のSIRT3の活性に、それぞれオフとオンにする影響を選択的に及ぼしていることを示唆した。

 これらの知見は、現在の治療法と同じ有効性で、有害な副作用のない抗がん治療法の創出に役立つと思われる。たとえば化学療法は健康な組織にも損傷を及ぼすが、緑茶の飲用において、こうした副作用は伴わない。

 "Differential Prooxidative Effects of the Green Tea Polyphenol, (–)-epigallocatechin-3-gallate, in Normal and Oral Cancer Cells are Related to Differences in Sirtuin 3 Signaling〔緑茶ポリフェノール(-)エピガロカテキン3-ガラートの正常および口腔がん細胞における酸化促進効果の違いは、サーチュイン3のシグナル伝達の差異に関連〕"というタイトルのこの研究は、Molecular Nutrition & Food Research誌2月号に掲載された。

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