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キャビテーション噴流が口腔内バイオフィルムの除去を容易にする可能性が示される

研究者らは、特殊な種類のノズルを使用し、気泡を発生させ、この泡が崩壊する時、プラークは除去された。(写真:zlikovec/Shutterstock(ズリコベック/シャッターストック)と東北大学/祖山均)
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月. 23 4月 2018

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日本、仙台:病気を予防するには、歯科インプラントでも天然歯と同様に適切なケアと口腔清掃が必要である。インプラントフィクスチャーからプラークを除去するより良い方法を模索する日本の研究者らは、最近の研究で、キャビテーション噴流の効果と標準的に使用されているウォータージェットの効果との比較を行った。彼らの研究結果によると、キャビテーション噴流ではインプラントフィクスチャーの粗造な面からプラークがより効率良く除去されたという。

東北大学の祖山均教授および昭和大学のチームは、キャビテーション噴流の洗浄能力をウォータージェットの洗浄能力と比較した。キャビテーション噴流では、高速流が水中を通りノズルから噴射され、極めて小さな気泡が発生する。これらの泡がはじける時、表面の汚染物質を除去するのに十分な強さの衝撃波が発生する。

二つの異なる噴流を試験するため、4人の志願者は、3日間口腔清掃を行わず、口腔内にバイオフィルムを形成させた。その後、両方の方法を用いて彼らのフィクスチャーを清掃し、研究者らは残ったプラーク量を、複数の異なる時間間隔で測定した。

1分間の清掃後では、両方の方法で除去されたプラーク量に違いはほとんどなかったが、清掃時間が長くなると違いが見られた。3分後、キャビテーション噴流では、ウォータージェットの約3倍量のプラークが取り除かれ、実験終了時には、インプラント上にはほとんどプラークが残っていなかった。キャビテーション噴流では、フィクスチャーのネジ谷部より、ネジ山部においてより多くのプラークの除去に。

「従来の方法では、歯科インプラント表面についたプラークをうまく取り除くことはできず、この新しい方法は、歯科医にとって、より一般的に使われるようになってきているこのようなフィクスチャーを管理する新しいツールとなる可能性がある」と祖山は語った。

過去の研究において、水流がバイオフィルムを除去するせん断応力を発揮することが示されている。このせん断効果に加え、キャビテーション噴流では、泡が崩壊する時に大きな力が発生し、バイオフィルム粒子が除去される。研究者らは、歯科インプラントの不規則な表面からプラークを除去する際に、ウォータージェットよりもキャビテーション噴流の方が優れているのは、この二つの過程が相乗的に作用しているためであると提唱している。

本研究は、“Removal of oral biofilm on an implant fixture by a cavitating jet(キャビテーション噴流によるインプラントフィクスチャー上の口腔バイオフィルムの除去)”の表題で、Implant Dentistry(インプラント歯科学)誌の12月号に掲載された。

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