米国・ボストン:最近発表された2組のグループの研究結果から,口腔内細菌が大腸がんに関与するという新たな証拠が提出された。それらの研究によると,フソバクテリアが負の免疫応答を刺激し,大腸がんを形成する増殖遺伝子を“オン”にすることが実証された。今まで,これらの微生物が直接腫瘍の形成に寄与するかどうかは不明であった。
ケースウェスタンリザーブ大学歯科医学部で実施された研究では,フソバクテリアがフゾバクテリウムアドヘシンA(FadA)と呼ばれる分子に依存することがわかった。 FadAが菌体表面にみられ,フゾバクテリアが菌体に付着する役目を果たすとともに,ヒト大腸がん細胞内に侵入してがんを誘導する一方,炎症反応ががん形成を促進するという。
「この発見は新たな診断ツール,および,大腸がんの治療法や予防の可能性を広げる」とYiping W. Han氏(同大学歯周病学教授)は述べた。「“FadA”は、結腸がんの早期検出用の診断マーカーとして用いることができ,また,その治療は結腸と口腔におけるフソバクテリアを減少させるのに効果的に働くかどうか決定することができる。」と言う。
Han氏と彼女のチームは,がん細胞に対する“FadA”の影響を防ぐ化合物も同定した。
また,ボストンの医療機関で実施した別の研究では,フソバクテリアはヒト大腸腺腫および時間の経過とともに悪性になる良性腫瘍に豊富にみられ,微生物が腫瘍形成の初期段階で何らかの役割を持つことを示唆するという。
アメリカ疾病管理予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention)によると,大腸がんは,2009年には米国におけるがん癌関連死の第2位の主要な原因であり,136,717人が大腸がんと診断され,51,848人がこの疾患により死亡した。
これらの研究は,「Fusobacterium nucleatum Promotes Colorectal Carcinogenesis by Modulating E-Cadherin/β-Catenin Signaling via its FadA Adhesin」,「Fusobacterium nucleatum Potentiates Intestinal Tumorigenesis and Modulates the Tumor-Immune Microenvironment」と題して“the Cell Host and Microbe journal”8月号に掲載された。
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