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インテリジェントなブラキシズム器具

マウスガードは、ブラキシズム(歯ぎしり)に苦しむ患者を助ける一般的な道具だ。(Photograph: Sakuoka/Shutterstock)

アイルランド・ダブリン:ブラキシズムは、世界中の5人に1人の成人である10億人に影響をおよぼしており、歯並びや齲蝕治療に厳しいダメージを与える原因となる。ほとんどのブラキシズム患者は睡眠中に歯ぎしりをするため、その症状を診断することは難しい。アイルランドの研究チームは、歯科医師が症状をより良く理解し治療できるように、睡眠中のブラキシズムを検出およびモニタリングするSmartSplintと名付けた新たな技術を開発した。

 インテリジェントなブラキシズム器具であるSmartSplintは、ダブリン大学トリニティ・カレッジから派生したSelfSense Technologies社で開発された。同社の設立者は、ダブリン歯科大学病院のDr Padraig McAuliffeとBrian O'Connell教授、また、ダブリン大学トリニティカレッジにありアイルランド科学財団により創設されたAMBER(Advanced Materials and BioEngineering Research)の、Dr Ramesh BabuとDr James Doyleである。

 「患者のブラキシズムの有無を知るのは、何らかのダメージをすでに受けた状態を見るまでは、歯科医師にとって非常に難しく、その時点では遅すぎる。早期の診断と損傷の予防が鍵である。手ごろな価格で広範囲に使え、適切で実際的なブラキシズム検査器具が何もなかったため、我々はSmartSplintを開発した。虫歯や歯周病の治療における成功は、簡易な検査の開発により大改革が行われたからだ。我々は、SmartSplintがブラキシズムに対して同様のことができると期待している」とMcAuliffeは言う。

 夜間の歯ぎしりは小さな不便さの域をはるかに超えており、歯ぎしり時の臼歯にかかる咀嚼力は、最長30分間、最大100kgに達することもある。したがって、この慢性的な症状は、激しい顔面痛、頭痛、歯の摩耗、クラウンやベニアやインプラントなどの歯科修復物へのダメージを引き起こす。

 歯ぎしりによるダメージを受けた歯の修復費用は、徐々に実際的な問題となるが、マウスガードの着用により大幅に縮小することができる。残念なことにブラキシズムは主に夜に生じるため、多くの患者がそれに気がつきにくい。さらに、マウスガードを適切に使用しない患者もいるため、歯へのダメージおよび長期間の歯科治療費は増大し続けてしまう、と研究者らは述べている。

 新型マウスガードであるSmartSplintは、睡眠中の患者の歯ぎしり力を測定する統合的センサーを持ち、歯ぎしりを診断し、モニターするのを助ける。センサーにより収集された個別のデータは、モバイルやウェブサイトのアプリケーションに送信でき、歯科医師と患者が個々の歯ぎしりの解析を見ることができる。研究者らによると、患者が自分のコンディションをより良く理解したり、歯科医師がそれを効果的に管理する助けになるという。

 SelfSense Technologies社は、その新型センサー技術の認可を得ており、アイルランドで秋からSmartSplintの発売を開始する計画だ。2016年には国際的にも歯科診療現場で可能になるだろう。

 SmartSplintに関するさらに詳しい情報はhttp://www.selfsense.ie./を参照。

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