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簡便なブラキシズム検出方法

Bruxlabでは、任意のブラキシズム(歯ぎしり)音を機械学習、モバイルアプリケーション技術、ウェアラブル装置を用いて記録、定量化する診断ツールを開発している。(Photograph: Dental Tribune International)

全人口の約8%に、睡眠障害に関連する症状として一般的なブラキシズム(歯ぎしり)があると言われている。これまでの自宅用の検査機器は高価で患者にやさしいものではなかったが、Bruxlab社が安価で簡便にブラキシズムを検出するのを可能にした。同社(オランダ)は、任意のブラキシズム音を機械学習、モバイルアプリケーション技術、ウェアラブル装置を用いて記録、定量化する診断ツールを開発した。Dental Tribune UKはBruxlab社オーナーのMichiel Allessie氏に、ブラキシズム検出に用いたアルゴリズムについて質問した。

―Allessieさんは、ご自分の診療所で一般歯科医を14年されていましたが、これまではどのようにブラキシズムを検出していましたか。また、睡眠中のブラキシズムを診断する上で、従来の方法の不利な点についても教えてください。

Michiel Allessie(以下、MA):臨床上のサインはいつも同じで、過度の歯の摩耗、知覚過敏、頭痛、朝の顎筋疲労などです。問題は、ブラキシズムが自発的に止められるということ、そしてまた、ブラキシズム患者の多くが慢性的ではないということです。そこで歯科医は、睡眠中のブラキシズムが動的であるか、また慢性的であるのかを慣習的な臨床サインから確定しており、私はこれが大きな短所であると考えます。現在、我々はDoIGrindアプリケーションを用いて、患者に動的ブラキシズムがあるか、慢性的であるかを監視します。我が社のBruxstickerは、睡眠中の下顎の動きを計測することができるのです。総合的なナノ加速度計とBluetoothの集積回路を我々のアプリケーションに組み込み、数日間の歯ぎしり音を記録してフィルターにかけます。

―ブラキシズムは非常によくある医学的症状で、歯へのダメージ、睡眠障害、咀嚼困難、頭痛、顎関節機能不全などの原因として知られています。ブラキシズムを治療しないとどうなるか、経験上からお話ください。

MA:ブラキシズムを治療しないで放置すると、慢性的な患者では長期にわたり苦痛が激しくなります。非慢性的患者では長期の症状は穏やかで、そうした患者には年に2度、慢性的なブラキシズムになっていないかどうかを確認します。

―Allessieさんは、革新的なアプリケーションを用いてブラキシズムを効果的に治療するために、2014年にBruxlabを設立されました。その背景にはどんなアイディアがあり、またどのように機能していますか。歯科医や患者が知るべきことはなんでしょうか。

MA:我々は、任意の歯ぎしり音、歯当たり音をフィルターにかけるアルゴリズムを開発しました。歯当たり音は多くの場合、噛みしめ症状の始まりを示します。睡眠テストとして良く知られている判断基準である睡眠ポリグラフを用いて、音を評価しました。このテストは、筋活動と同時に歯ぎしり音が検出されたかどうかを示してくれます。アプリケーションが搭載された機器はベッド脇に置かれ、任意の歯ぎしり音を記録し、フィルターにかけます。大抵は、8時間の睡眠から5分間の意味のある音にまとめられます。音はクラウドにアップロードされ、歯科医はそれを聞くことができます。睡眠中のブラキシズムが疑われる場合、多くの歯科医がこのアプリケーションを患者に薦めています。

―DolGrindアプリケーションを使ってブラキシズムが検出された場合、どのような治療が歯科医や患者に薦められますか。

MA:それは、慢性的で辛い症状のブラキシズムであるか、非慢性的で穏やかな症状であるかによります。前者の場合は、スプリント(ナイトガード)を処方します。後者の場合は、カウンセリングを通じた行動修正で、歯ぎしりが止むかどうかを見ます。それがこの製品の最大の利点で、患者にとって余計な費用がかからずに、何度も確認することができます。

編集追記:Bruxlab B.V.は、バーミンガムのDentistry ShowでStand N12ブースに出展する。

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