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アフリカにおける口腔保健推進戦略

アフリカの指導者を対象に今年ジュネーブで開催されたFDIリーダーシップ研修(写真:GIlberto Lontro/FDI)

エチオピア、アディスアベバ/モロッコ、マラケシュ:アフリカの口腔保健は、2016年8月にWHO(世界保健機関)が立ち上げたアフリカ地域戦略によって2度目の支援を受けた。これは4つの目標に基づいており、今年すでに発表された同機関の出版物『アフリカにおける口腔保健の推進(Promoting Oral Health in Africa)』に従い、アフリカ地域で日常的に必要とされる口腔保健に取り組む、経済的に導入しやすく実現可能な提案である。

最初に支援を受けたのは2013年のことで、このときFDIは、独自のアフリカ戦略を立ち上げた。この戦略は、アフリカ諸国歯科医師会(NDA)で構成され、FDI独自のネットワーク内にある能力開発、能力育成の特別分野を土台にしている。この方法により、FDIはアフリカの歯科医師がリーダーシップとマネジメントスキルを獲得・開発する手助けをし、信頼性を確立・強化し、効果的なピアツーピア方式の情報交換を支援している。これにより、アフリカの歯科医師を母国でのより強力な口腔保健の推進者にしている。

これまでのところ、FDIは2回の研修セッションを開催しており、最初の開催は2015年であった。レベル1の研修では、NDAの長期実行の可能性と信頼性を確保する内部リーダーシップに注力した。4日間のレベル2のリーダーシップ研修ワークショップは、2月にスイスのジュネーブで開催された。この研修はコミュニケーション、援助、募金活動を重視し、NDAが国家的・地域的に効果的な口腔保健提唱者になるために重要なスキルを獲得できるようにするものである。

WHOの戦略
ワークショップでは、WHOアフリカ地域事務局の非感染性疾患クラスター口腔保健担当地域アドバイザーであるDr. Benoit Varenneが、NDAがいかにしてWHOの活動に参加し、現地の厚生大臣と歯科医師会役員に関わることができたかを強調した。現地のやり方を尊重することで、アドバイザーたちに耳を傾けてもらえるようになる。また、Dr. Benoit Varenneはそのプロセスに影響を与え、支援を行うため、何が出来るかを取り上げた。現在のWHOの新戦略は以下の4つの目標に基づいている。

(a)口腔疾患の統合的な予防と管理のための国家的な提唱、リーダーシップ、多部門の活動、およびパートナーシップを強化すること。(b)口腔疾患と非感染性疾患の共通のリスク因子を低減させ、口腔および全身的な健康を推進し、適切なフッ化物の定期的使用と一般的使用を確保すること。(c)口腔疾患の統合的な予防と管理のための医療制度の能力を強化すること。(d)口腔疾患の統合的調査、プログラムのモニタリングと評価、およびオペレーショナル・リサーチを向上させること。

WHO戦略が立ち上げられたのは、8月19日~23日にエチオピアのアディスアベバで開催されたアフリカ地域委員会の会合であった。FDIとWHOは共に、各国の口腔疾病の現状を代表団にブリーフィングし、諸課題を含む報告書の準備を助け、また可能ならば代表団に加わる機会を、アフリカNDAのリーダーたちに強く働きかけた。最初の報告は、多数のNDAがその使命を心に留めたことを示唆するものである。

FDIは、加盟NDAであるエチオピア歯科医師会(Ethiopian Dental Professionals Association)と手を携えて口腔保健戦略を支持する共同声明を行い、WHOのパートナーおよび加盟国に対し、その効果的な実施のために資源動員などの行動を起こすよう呼び掛けた。

FDIアフリカ地域歯科学会議
一方で、アフリカ地域独自の強い意気込みへの支援として、FDIとモロッコの加盟歯科医師会(L’Association Marocaine de Prevention Bucco-Dentaire)は、最初のFDIアフリカ地域歯科学会議を企画することになっている。これは2017年4月27日~29日にマラケシュで開催され、科学プログラムとしてFDIセッションも含まれる。モロッコは、近隣諸国のほか、サハラ以南のアフリカ、中東、南ヨーロッパの国々からの参加者を受け入れるうえで、特に立地条件に恵まれている。WHOはもちろん招待リストに載る予定である。

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