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糖分フリーの菓子や飲料は歯に悪い

多くの低糖食品や飲料中の酸の化学的混合物は、深刻な歯の侵食を引き起こす可能性がある。(Photograph: Olena Kaminetska/Shutterstock)

豪・メルボルン:消費者は飲料や菓子を選ぶのにますます健康志向になってきているが、糖分フリーの代用成分を使った菓子類は、必ずしもより健康的な代替物ではない。従来のソフトドリンクとそれらの糖分フリー代替品との比較で、オーストラリアの研究者らは、低糖分食品および飲料中の酸の化学的混合物が、深刻な歯の浸食を引き起こす可能性があることを見出した。

 メルボルン大学歯科保健共同研究センター(CRC)の研究者らは、ソフトドリンク、スポーツ飲料を含む23種類の飲料をテストした。その結果、酸性添加剤を含む飲料や低pHレベルの飲料は、無糖であっても歯のエナメル質に測定可能な害をもたらすことが示された。

 「糖分摂取を減らすことで歯のう蝕(虫歯)のリスクを取り除いている一方、食品や飲料に含まれる酸の化学的混合物が歯の浸食に同等のダメージを与えることを多くの人は知らない」と、CRC口腔衛生部のCEOであるEric Reynolds教授は述べている。

 飲料の曝露による影響を計測し、研究者らはソフトドリンクおよびスポーツ飲料の大半が歯のエナメル質を30~50%軟化させることを明らかにした。研究ではさらに、糖分を含む飲料、糖分フリー飲料、風味付けされたミネラルウォーターのいずれもが歯のエナメル質を顕著に浸食し、測定可能な質量および表面の損失を生じさせたことが確認された。

 「歯の浸食は、酸が歯の硬組織を破壊する際に起こる。初期段階では浸食が歯のエナメル質の表層をはぎ取り、進行した段階では浸食が歯内部の歯髄に及ぶ」とReynoldsは説明している。

 これらの結果をふまえてCRC口腔衛生部は、食品および飲料における現在の製品テストやラベル表示規制は、消費者が歯の浸食リスクを回避するための選択には不十分なものであると結論づけている。「『歯にやさしい』表示がある糖分フリーの菓子製品でも、我々のテストで歯の浸食性が確認されたものがある」とReynoldsは述べている。

 歯の浸食やう蝕のリスクを最小限にするために、CRC口腔保健部の研究者らは、食材中の酸の添加物-特にクエン酸(成分番号330)とリン酸(同338)のチェックを勧めている。加えて、水で口をすすぐこと、酸性の食品・飲料を摂取後は歯磨きまで1時間待つこと、ソフトドリンクやスポーツ飲料の摂取を制限することなどを専門家らは勧めている。

 これらの知見に基づき、CRC口腔衛生部の研究者らは、“The potential of sugar-free beverages, sugar-free confectionery and sports drinks to cause dental erosion(糖分フリー飲料がもたらす歯の浸食の可能性)”というタイトルのブリーフィングをオンラインで公開しており、www.oralhealthcrc.org.au.からアクセスできる。

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