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歯根膜治療新薬として有望なブルーベリーエキス

研究者らは、以前にも増して歯周病を治療するための天然抗菌性合成物を探しているが、ブルーベリーエキスには従来の抗生物質に代わるものとしての可能性がある。(Photograph: Ortodox/Shutterstock)

カナダ・ケベック:歯周病は、成人における最も一般的な微生物伝染病のひとつである。歯周病の重症例を治療する際、歯科医師はしばしば抗生物質を使用する。しかし今回、ブルーベリーエキスが同等の抗菌性・抗炎症作用を有し、歯周病管理において抗生物質薬物治療にとって代われる可能性のあることが研究者によって見出された。

 ラボでの一連の実験で、ラヴァル大学(ケベック)の研究者らは、野生のローブッシュ・ブルーベリー(学名Vaccinium angustifolium Ait.)エキスの、歯周に関連する主要なバクテリアであるFusobacterium nucleatumに対する効果をテストした。

 ポリフェノールに富むエキスは、F. nucleatumの成長とバイオフィルムの形成の両方を、成功裡に妨げた。研究者らはこの特性について、鉄とキレートするというブルーベリー・ポリフェノールの能力に起因するかもしれないと述べている。また、同エキスは炎症に関する分子経路をブロックした。

 「ローブッシュ・ブルーベリー・ポリフェノールが持つ抗菌性・抗炎症性という2つの作用は、それらが新薬としての有望な候補かもしれないことを示唆している」と研究者らは結論づけた。また、歯膜炎治療の助けとして、歯石除去後にゆっくりとエキスを放出する口内装置を開発中であるという。

 "Wild Blueberry (Vaccinium angustifolium Ait.) Polyphenols Target Fusobacterium nucleatum and the Host Inflammatory Response: Potential Innovative Molecules for Treating Periodontal Diseases〔野生のブルーベリー(学名Vaccinium angustifolium Ait.)ポリフェノールはFusobacterium nucleatumとホスト炎症反応を標的とする:歯周病治療のための潜在的・革新的分子〕"というタイトルのこの研究は9月4日、Journal of Agricultural and Food Chemistry誌オンライン版に掲載された。

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