Dental Tribune Japan

SARS-CoV-2パンデミック渦中のDIY歯科治療

By By Brendan Day, DTI
September 24, 2020

ロンドン(英国):SARS-CoV-2パンデミックを受けて、歯科診療が世界中で一部または完全に休業状態になり、定期歯科検診も大幅に延期されている。広範囲に及ぶロックダウンによって患者は、口腔に救急事態が生じても歯科診療を受けられない場合、自らの手による(DIY)歯科治療を行うことになる。

 コロナウイルス大流行の深刻さが今年初めに顕著になった時、各国の歯科医師会の多くは比較的早期に反応。3月後半までに、カナダ、オーストラリア、英国、米国など、多数の国々で、SARS-CoV-2の感染拡大の可能性を理由に、一般患者の歯科診療の受け入れを事実上停止することが命じられた。
その後、これらの国の多くが自粛を緩和し、不要不急の診察に関しても歯科診療を再開させたが、それでもなお、現在も医療現場におけるSARSCoV-2の伝播を制限するため、幅広い予防措置が取られている。これらの予防措置は、オンライン歯科治療のような代替措置を生み、この数週間で、数多くの歯科医と患者が在宅歯科の経験を共有し始めた。
「自分で抜歯しようとする人がいる、という話も既に聞かれます」と、Portman Dental Careで地域の臨床歯科のトップを務めるCatherine Tannahill先生が最近BBC(英国放送協会)に語った。Tannahill先生の例は極端に思われるかもしれないが、予約が取れず歯科処置を自分自身で行う患者が複数報告されている。
サリー州を拠点とする歯科医のYasmin George先生は、Dental Tribune International(DTI)に対し、英国内の歯科診療が冷淡にも停止された結果、自身の診療所でも、患者が予定していた義歯試適などの不可欠な治療予約に現れないということが数回あった、と話す。これを受けて、  George先生はすぐにオンライン歯科診療の提供に切り替え、時には、やや複雑な歯科処置の実施方法について患者や家族に指導することもあったという。
George先生はさらに、「ロックダウンに入って2~3週間の時に、当院の女性患者の1人が歯肉レベルで歯を折った。来院が可能であれば、感染予防のため、ほんの少量の暫間充填材で仮封を行うところだったが、患者が来院できなかったため、患者の娘にカメラを持ってもらい、患者の夫に電話越しでその方法を指導しなければなりませんでした」
George先生は、技術的な不安はあるものの、今後は特に診断前の初期段階の歯科治療について、オンライン歯科診療を続けることになるのは確実と述べた。それは訪問歯科用トラックで診療を行うJalal Khan先生と共通する意見である。オーストラリアに拠点を置くこの歯科医は、オンライン歯科診療の主な利用目的は、診断というよりもむしろ、初診前のトリアージ(篩分け)であると考える。
しかし、George先生とKhan先生はいずれも、歯科医が誘導するDIY歯科治療が将来的に、さらに一般的な治療選択肢になるという考えには概ね反対している。アメリカ歯科医師会(ADA)もまた、DTIの話題に反応したADAとしての懸念を表明し、次のように発表している。「DIY歯科治療を行う前には、患者とかかりつけの歯科医が潜在的リスクとベネフィットに関し話し合うことが重要です。ADAは、歯科医の指導なしでは、患者が頑張ってDIY治療を行っても、最も大切な治療の質が損なわれるので、患者の期待する、その治療効果を失ってしまうと考えています」
DIY歯科治療は、このような困難な時期にはベネフィットがあるかもしれないが、実際のところ、自分の口腔衛生を管理するための最善の方法は歯科医療従事者の管理を受けることであることに変わりはない。

出典:News International 2020/6/22

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