DT News - Japan - ADAがオピオイドの処方について声明を発表

Search Dental Tribune

ADAがオピオイドの処方について声明を発表

アメリカ歯科医師会は、急性疼痛管理の1次治療として、歯科医はオピオイド(麻薬性鎮痛剤)を処方するのではなく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を検討すべきと考えている(写真:KieferPix/Shutterstock社)

木. 9 5月 2019

保存する

ニューヨーク(米国):歯科業界内におけるオピオイド(麻薬性鎮痛剤)の使用に関する警鐘論文が注目を集めている。いくつかの歯科処置におけるオピオイド処方関連の研究に対応し、アメリカ歯科医師会(ADA)は最近、より広範な問題に関して自らの立場を明らかにする声明を発表した。

この声明の中でADAは、「若者、ひいては全年齢層のオピオイド乱用と闘うため、ADAは全16万1,000名の会員歯科医に対し、オピオイドが患者とその家族に悪影響を及ぼすことを防ぐため、一層の努力を重ねることを要請する」と述べている。

ADAによると、歯科医は1次治療において、オピオイドよりも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の単剤療法、またはアセトアミノフェンとオピオイドの併用療法を優先して処方すべきである、との方針を支持する研究がますます増加しているという。この声明でADAは「オピオイドによる公衆衛生の危機に対して、啓発と対策を講じることに全力を尽くす」としている。

2018年3月、ADAは、急性疼痛に対する歯科医によるオピオイド処方に関する方針を採択した。この方針では、急性疼痛の治療におけるオピオイドとその他規制薬物に関する教育継続の義務化を支持し、オピオイドの投与量および投与期間を7日以内とする法定限度を課している。そのガイドラインは、米国疾病管理予防センターによるエビデンスに基づくガイドラインと整合性がとれており、誤用および乱用の防止を目的とするオピオイドの適正使用を促進するため、歯科医に対して処方薬監視プログラムへの登録と利用を求めている。

ADAの立場をさらに支持するものとして、4月には、ADA科学研究所、ケース・ウェスタン・リザーブ大学およびピッツバーグ大学の研究者らが、The Journal of the American Dental Associationに査読付研究論文を発表した。本試験は、NSAIDs単剤療法またはアセトアミノフェンとの併用療法は、オピオイドよりも概して有効性が高く、発生する副作用も少ないと結論付けた。

「ADAは、医師、薬局、政策立案者、一般の人々と協力することで、我々の家族や地域に壊滅的打撃を与えてきたこの悲惨だが予防可能な公衆衛生の危機を終わらせることができると信じる」と声明は結んでいる。

出典:News Americas 2018/12/31

advertisement
advertisement