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3Dプリンティング その多様な臨床での使い道、 いよいよ本領発揮の時代へ

木. 9 5月 2019

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3Dプリンティングといえば、新たな治療法、新たなチームワーク形態、新たなビジネスモデルが思い浮かぶが、歯科はそのパイオニアの一つである。

最近の分析によれば、3Dプリントによる製品の世界市場は年平均で13~23%成長する見込みで、2030年までにその総額は226億ユーロに達するといわれる。特に医療技術分野では2030年までに55億9,000万ユーロに成長する。専門家はこの成長が2段階で進展していくと予想しており、2020年までは現行製品のリノベーションが中心となり、その後、開発の焦点は革新的な物質やプリント・プロセスの最適化へと移行するであろう。

レーザーを利用した加工によりフレームをプリントする技術はすでに確立されており、プラスチック材料製の新たな歯科フレームの開発が現在進んでいる。しかし、最も有望視されるのは、矯正装置、補綴物、クラウン、ブリッジ、アライナー、模型に関する可能性である。歯面清掃の分野では、個人に合わせて3Dプリントされたデンタルフロス・ホルダーなどが開発されている。

また、リアルタイム画像がすでにその実力を発揮している。例えば、患者のデジタル化された笑顔の模型は3Dプリントによるシリコーン模型の基礎となる。さらに、3Dプリントされた2本の歯を患者にロボットが埋入することにも成功している。その他、口腔腫瘍の摘出後、患者の顎を再建するために、欠損をスキャンし、3Dプリントによってテンプレートを作製することが可能である。その後、このテンプレートをガイドにして身体の他の部位(例えば、腓骨)から骨ブロックを採取し、これを口腔内に移植する。

さらに今日では、スキャンデータを幅広く応用することができるようになっている。例えば、ステレオリソグラフィはその精度をマイクロメーター領域で2桁以下にまで下げられることから、外科用ガイドの製作には理想的である。また、デジタル・ライト・プロセッシング技術は高速が特徴で、対象物の各層をほぼ瞬時に重合することができる。加えて、プラスチック、金属いずれのプリンティングも、各種レーザー技術により可能となった。

IDS2019は、まさに3Dプリンターがもたらす幅広い可能性を実体験できる場であった。

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