Dental Tribune Japan

2018年の世界の主要学会の動き & 2019年の主要学会、あなたはどこへいく?

December 10, 2018

2018年、世界の主要学会にはどのような傾向や潮流が見られたのか? Dental Tribune International(DTI)の各国レポートの中から、日本版編集部が日本人に人気の学会をピックアップ。来年の学会スケジュールとともに、今年の世界の傾向を鳥瞰する。

歯周病

2018年一番の動きは、やはり「歯周病の新分類」

(写真:Noppasin Wongchum/Shutterstock社)

AAPとEFP合同ワークショップの成果歯周病の包括的分類を発表

EuroPerio9 in Amsterdam (June. 20-23)

By Dental Tribune International

歯周の健康と疾患、およびインプラント周囲疾患に関するグローバルな新分類体系が、6月22日(金)にEuroPerio9で発表された。ヨーロッパ歯周病学会(EFP)と米国歯周病学会(AAP)が2017年にシカゴ(米国)で開催した合同ワークショップの成果であるこの新体系は、この疾患に関する前回の包括的分類(STAGING & GRADING)以来ほぼ20年ぶりの改訂であり、その間に得られた膨大な量の新たなエビデンスと知識に基づくものといえる。

Maurizio Tonetti教授とDr. Kenneth Kornmanは、新分類体系が、歯周炎発現のメカニズムに関するよくある誤解を認識した上で、その誤りを暴くものであること、歯周治療学の教育と大学のカリキュラムを方向付ける上で有用である点を強調した。また、Dr. Kornmanは、「歯周炎の重症度は、歯に付着しているプラークの量と、付着していた時間の長さの単純な関数ではないこと、そして、この疾患に対する感受性が人によって異なることが分かっている」と語った。

この包括的分類は、最新のエビデンスに基づいており、歯周炎の病期診断および等級付け体系を含み、重症度と疾患の程度を示し、生涯にわたる罹患体験や、患者の健康状態全般を考慮したものとなっている。臨床上の健康状態が分類内で初めて定義され、歯周炎は、重症度の軽いものから重いものへと4段階で説明されている。疾患進行率とリスクは、進行のリスクが最も低いものから高いものへと3段階に分類された。この等級付けでは、喫煙や、糖尿病などの合併症のような危険因子が考慮される。

完全なレビューレポートおよびコンセンサスレポートが、EFPの『Journal of Clinical Periodontology』とAAPの『Journal of Periodontology』で同時に公表されている。

次回の開催予定日程・開催地:June. 2-5, 2021 Copenhagen, Denmark

 

Burton Langer博士(写真:Sierra Rendon / DTA)

日米加3カ国4学会による共催2018 AAP会議・歯周病の新分類のお披露目の場に

AAP in Vancouver (Oct. 27-30)

By Sierra Rendon / DTA

第104回米国歯周病学会(AAP)年次総会が、10月27日(土)~30日(火)にバンクーバーコンベンションセンターで開催された。今回は、カナダ歯周病学会、日本臨床歯周病学会、日本歯周病学会との共同開催である。

ハイライトの1つ目は、Burton Langer博士による口頭発表で、「2019年歯周治療学」に向けて、「古いもの、新しいもの:失敗を招くものを避けること」について語った。Langer博士は、1983年にPer-Ingvar Branemark教授によるオッセオインテグレーション指導を初めて受けた歯周病専門医の1人である。骨移植のための早期リエントリー手術、歯槽堤増大術、上皮下結合組織移植、インプラント挿入のための各種フラップ術など、教授が開発した新規治療法は、今では標準的な治療法となっており、世界中の歯学部で指導されている。

ハイライトの2つ目は、Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditionsの2017年国際ワークショップの組織委員会のメンバーが、最近更新した疾患分類である。病期分類、分類のためのグレード評価モデルが今後、患者ケアと歯科教育に意義あるものとして発表された。

来年の開催予定日程・開催地:Nov. 2-5, 2019 Chicago, U.S.A

 

インプラント治療

統制された臨床教育の時代

© Reed Messe Wien | G. Szuklits

良識あるインプラント治療のための教育の充実へ

EAO in Vienna (Oct. 11-13)

By Dental Tribune International

第27回欧州インプラント学会(EAO)年次総会が10月11日(木)~13日(土)までオーストリアの首都にあるMesse Wien Exhibition Congress Centerで開催された。今年のテーマは「インプラント歯科の夢と現実」で、初日は診断学、2日目は外科治療、最終日は補綴が集中的に扱われた。

今回の総会では、40人の臨床家や科学者が集まり、4つのグループに分かれ、各分野の現在の問題点を洗い出し、今後の10年間で解決すべきテーマを検討した。

現在、インプラント治療にはさまざまな新しい治療法や材料が登場しているが、卒後教育を充実させ、臨床医への認定活動や教育のスタンダードをつくることに力を入れる。それが臨床の質を上げ、患者に最大の恩恵をもたらすという考え方だ。

来年の開催予定日程・開催地:Sept. 26-28, 2019 Lisbon, Portugal

 

こんな動きにも注目!

広がる米国GPの守備範囲

(写真:Robert Selleck / DTA)

米国の一般開業医は、全身疾患と歯周病、睡眠時無呼吸症候群に注目?

ADA in Honolulu (Oct. 18-22)

By Robert Selleck / DTA

ADA 2018米国歯科学会議が10月18日(木)~22日(月)に開催され、その卒後教育研修プログラムは、他に類を見ないものであった。ADA 2018の組織委員会によると、今年実施された教育プログラムの多くが、睡眠医学、低侵襲歯科診療、審美歯科、口腔内炎症、口腔衛生と健康全般の関連性に関する特別講座などで、これらは、会員からのリクエストによるものであったという。

本会議のハイライトは、キャンプファイアセッション(専門家および講演者との非公式のグループディスカッション)のほか、2017年の年次総会で初めて導入された、Women in Dentistry Leadership Seriesである。このプログラムは、Crest + Oral-Bの後援の下で、基調講演と座談会を加え、連日開催された。

来年の開催予定日程・開催地:Sept. 4-9, 2019 San Francisco, U.S.A

 

こんな動きにも注目!

最高で、包括的な審美歯科の世界

(出典:AACD)

最高峰の審美歯科臨床を充実したプログラムで提供

2018 AACD in Chicago (Apr. 18-21)

By Dental Tribune USA

アメリカ審美歯科学会(AACD)は、2018年の年次総会を「審美歯科総合教育の最高傑作」と胸を張る。シカゴのMcCormick Place Lakeside Centerで4月18日(水)~21日(土)に開催されたAACD 2018プログラムは、業界の最新の進歩を最高レベルの演題、演目を参加者に提供した。

プログラムは、主に複雑な症例のセッション、認定セッション、臨床検査セッション、歯科チームセッションの4つで構成された。その数は膨大で合計で40以上の実践的ワークショップ、70以上の講演、80名以上の演者によるものである。

複雑な症例のセッションには、歯科領域のビッグネーム数名が参加し、専門医が経験した最も複雑な症例がいくつか検討された。

認定歯科技工士Lee Culp氏、口腔外科医で理学修士のJoseph Kan氏、口腔外科学士で口腔外科医のAldo Leopardi氏、口腔外科医でFAACDのMichael Sesemann氏は2症例を挙げた。1例はインプラントや天然歯を含む、上歯列弓6歯以上の修復に関する症例、もう1例はすべて天然歯に対する修復で上歯列弓6歯以上の間接修復に関する症例である。

参加者にとっては、これら複雑な症例の課題と治療の解決法に関して議論を交わすことができる貴重な場となった。

来年の開催予定日程・開催地Apr. 24-27, 2019 San Diego, U.S.A

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