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歯垢を確認できる歯磨き剤が心疾患と脳卒中のリスクを下げる可能性

歯垢を確認できる特殊な歯磨き剤で歯を磨くと、心血管疾患予防につながる可能性がある。(写真:Voyagerix/Shutterstock)

アメリカ、フロリダ州ボカラトン:世界中の健康に関わる専門家が、口腔衛生が心血管疾患や脳卒中などの炎症性疾患と相関することを認めている。最近発表された研究では、歯垢の蓄積を確認できる歯磨き剤の使用者は、心疾患マーカーのレベルが低いことが明らかになり、その歯磨き剤が歯垢および全身の炎症を減少させたことがわかった。

この研究では、健常者61例(19~44歳)を2つのグループに無作為に分け、第1グループ(31例)は歯垢を確認できる歯磨き剤を60日間使用し、第2グループ(30例)はプラセボの歯磨き剤を同じ期間使用した。プラーク(歯垢)を評価するために、参加者全員がフルオレセイン洗口液を利用し、ブラックライトを照射して口腔内写真を撮影した。

解析後、歯垢を確認できる歯磨き剤を使用したグループではプラークスコアの平均が49%減少したのに対し、プラセボ群では24%の減少にとどまった。さらに、事前に指定された参加者38例のサブグループの臨床検査では、心臓発作と脳卒中の感受性マーカー、高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)のレベルが、歯垢を確認できる歯磨き剤を使用したグループでは29%減少したのに対し、プラセボの歯磨き剤を使用したグループでは25%増加したことがわかった。

この研究で使用された歯磨き剤の「Plaque HD」は2016年初頭に発売された。「Targetolテクノロジー」を取り入れたこの製品は、100%天然の植物由来の染め出し剤を含有し、ほとんどの歯垢を染めることにより、使用者が歯垢を除去するのに役立つ。歯垢の除去率は標準的な歯磨き剤の最大4倍である。

研究者らは、「Plaque HD」が歯垢の減少が観察されたことが、心血管疾患のリスクを下げるという仮説を裏づけているとの結論を下した。しかしながら、その結果を検証するには、十分な被験者数と期間を設けた大規模な無作為試験が必要であると述べている。

この研究は、「歯垢を確認できる歯磨き剤の無作為試験:歯垢と炎症(Randomized trial of plaque identifying toothpaste: Dental plaque and inflammation)」と題され、American Journal of Medicineに、誌面への掲載に先駆けて10月19日にオンラインに掲載された。この研究はアメリカ フロリダ・アトランティック大学で実施された。

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