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日本人研究者が抗歯周炎の新たな消毒剤を発見

研究者たちは2種類の一般的な歯周病菌に対する新たな消毒剤をテストした。(Photograph: Tyler Olson/Shutterstock)

東京:オゾンナノバブル水(NBW3)は歯周炎の原因となる2種類の細菌に対して非常に有効である、という研究結果が最近発表された。この新たな消毒剤は、世界の中高年者の15~20%がその最重症型に罹患する炎症性疾患に対する新しい治療の発展に貢献できるという。

  東京医科歯科大学と産業技術総合研究所の研究者らがPorphyromonas gingivalisAggregatibacter actinomycetemcomitansに対するNBW3の有効性を試験管内で実験したところ、わずか30秒の曝露ののち、両方の細菌のレベルは検出限界以下にまで下がった。

  さらに、NBW3はヒトの口腔組織に顕著な影響を及ぼさなかったという。試験管内でヒト口腔内組織モデルである作製されたヒト由来上皮細胞を使った実験では、24時間の曝露後に細胞の生存率がわずかに減少しただけであった。このような組織モデルは、新規の歯科材料や口腔ケア製品の毒性および刺激性を試験するために使用されるが、動物実験や単層細胞の培養試験とくらべて、ヒトでの反応予測や臨床性に、より多く関連があるという。

  歯周炎治療のための従来の抗生物質治療は、細菌耐性や有害反応といったいくつかの副作用のリスクを有している。しかし、細菌、真菌およびウイルスに対する強い抗菌活性のあるNBW3はオゾンから作られており、したがって、抗菌剤耐性を誘発することはない。オゾン水は通常、短期間の効力しか保持できないが、今回のNBW3は特許技術を用いて製造され、酸化能力を半年以上保つ。この安定性が、NBW3をボトル詰めして消毒剤として使用することを可能にしている。

  今回の研究結果は有望であるが、これらの試験管内モデルは、NBW3の効力が歯科患者の唾液によって低減するであろう臨床状況に直接転換できるわけではなく、したがって、さらなる研究が必要である。

  “Effects of ozone nano-bubble water on periodontopathic bacteria and oral cells – In vitro studies(歯周病原性細菌と口腔細胞におけるオゾンナノバブル水の効果-インビトロ試験)”というタイトルのこの研究は、Science and Technology of Advanced Materials journalの9月号に掲載された。

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