DT News - Japan - 幼年期の経験が現在の口腔衛生に影響

Search Dental Tribune

幼年期の経験が現在の口腔衛生に影響

デンタルケアを受けるのと同様に、幼年期の歯科従事者や親からの助力が若年層の口腔衛生習慣に影響を及ぼすことがスウェーデンでの研究で明らかになった。(Photograph: Oksana Kuzmina/Shutterstock)

スウェーデン・ハルムスタッド/ヨーテボリ:若年スウェーデン人の口腔衛生状況は主に良いと思われているが、この数十年で低下しているという。一般に、ある年齢集団中の口腔衛生に関する個人の見解や優先事項はほとんど知られていない。この状況を変えるために、あるスウェーデンの研究グループが若年層の口腔衛生認識およびそれに関連する生活の質を調査した。

 幼年期経験、歯科衛生に関する現在の自覚、将来の口腔衛生への期待、口腔衛生の影響の展望、口腔衛生に関するQOL(OHRQoL)といった事項を評価するために、ハルムスタッド大学およびヨーテボリ大学(どちらもスウェーデン)の研究者らは、21~29歳の若年層16人に質問をした。インタビューを通じて集められたデータは、内容分析により解析された。

 インタビュアーは、「自分の口と歯に関するあなたの見解は?」「QOLについての考えは?」、「自分の口と歯がどのようにQOLに影響を与えるか説明できますか?」、「口と歯に関して、どのように将来の状況に関係するか理解していますか?」といったOHRQoL事項を質問した。

 将来にわたって健康な口腔を保つためには良い口腔習慣が重要であることを、若年層が認識しているという結果が示された。しかし、口腔衛生と砂糖の消費およびう蝕(虫歯)の因果関係に関する知識はあるが、それが適切な毎日の口腔衛生とは結びつかないことがしばしば見受けられた。

 過去の経験を見ると、歯科従事者および親は、実際の口腔衛生習慣に影響を及ぼすと思われた。特に歯科従事者からの支援は、青春期と成年期の口腔健康習慣にとって重要であると考えられた。さらに、幼年期の口腔の問題は、現在の口の健康に影響を及ぼすと見なされた、ということが研究で分かったという。

 OHRQoLの認識に関しては、審美と外観が主な役割であった。口元の瑞々しさ、滑舌の良さ、見た目の良い歯をしている、といった側面が重要で、調査対象の若年層の社会生活に影響すると考えられた。反対に、口臭や口臭の恐れがあることは、しばしば社会的に不安定で邪魔なものであると評された。
科学者は、若年層のOHRQoLが、幼年期の口腔衛生の経験や受診した歯科医療に依るもので、また同時に、将来の口の健康への期待と共に、現在の口腔衛生の自覚、口腔習慣、社会生活に依るものでもあると結論づけた。

 “Oral health-related quality of life in Swedish young adults(スウェーデン若年層における歯科衛生関連QOL)”というタイトルのこの研究は6月9日、International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライ版に掲載された。

To post a reply please login or register
advertisement
advertisement