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唾液を使った自閉症診断検査の可能性

クラークソン大学の研究者Dr. Costel C. Darie(左)とDr. Alisa G. Woodsは、唾液検査が将来的に自閉症の診断に使えるかどうかを検討した。(Photograph: Clarkson University)

米・ポッツダム&プラッツバーグ:自閉症スペクトラム障害のある小児は、他の小児と比べて特定の蛋白質が異なるレベルであることを示す研究が初めて行われた。研究者らは、これらの知見が自閉症診断検査の開発に役立ち、早期診断の助力となり、自閉症のある幼児を持つ親への介入の直接的な援助となるだろうとしている。

 研究では、6件の自閉症患者と6件の発育途中の6~16歳の小児の唾液サンプルを分析し、特に唾液蛋白質レベルの違いが調査された。

 自閉症患者の参加者の9種類の蛋白質が有意に上昇しているのが発見された。加えてこのグループでは、3種類の蛋白質が低い、あるいは存在しないこともわかった。これらの蛋白質のいくつかは、免疫系に関連しているか、消化器系の問題がある人たちで上昇することがあるが、こうした状態はまた、自閉症スペクトラム障害を持つ個人によく見られる、というさらなる証拠を提供していた。

 現在、自閉症の診断は行動評価に依存しており、利用できる生物学的試験は存在していない。このような検査は早期診断・介入の助けとなり、したがって自閉症スペクトラム障害を持つ人々の機能的転帰を大幅に改善することができるだろうと研究者らは述べている。

 全般として、研究では自閉症のための潜在的なバイオマーカーとしての唾液蛋白質複合体が確立された。しかし、唾液に基づく診断検査を最終的に開発する前に、より大きなコホートで自閉症特定のサブタイプに関する詳細な研究が必要である。

 唾液は、例えば血液や組織サンプルに比べて臨床使用や研究が容易な体液であるにもかかわらず、今日まで、唾液プロテオームは自閉症スペクトラム障害において事実上、研究されてこなかった。

 "A Pilot Proteomic Analysis of Salivary Biomarkers in Autism Spectrum Disorder(自閉症スペクトラム障害における唾液バイオマーカーのパイロットプロテオーム解析)"というタイトルのこの研究は、出版に先駆けてAutism Research誌の1月27日オンライン版に掲載された。研究は、クラークソン大学とプラッツバーグのニューヨーク州立大学で行われたものである。

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