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プラーク除去効果4倍の歯磨き粉

Plaque HDは、歯の表面のプラーク蓄積を識別するのに役立つ。この歯磨き粉は歯科矯正医に考案された。(Photographs: Plaque HD)

米・シカゴ:歯の表面の微生物バイオフィルムやプラークは、う蝕(虫歯)や歯肉炎・歯周炎進行の大きな原因となるため、日々の歯磨きやデンタルフロス使用で処理されるべきである。このほど発表された研究によると、新しい歯磨き粉は歯垢の原因物質を染める青緑の色素を含み、歯の表面に蓄積されたプラークに色を付け、従来品より4倍のプラーク除去効果をもたらすという。

 研究では、12本の前歯が全て揃っている18~64歳の健常者が2群に分けられた。イリノイ大学シカゴ校歯学部を7~10日間にわたって2回訪問し、第1群は対照群の歯磨き粉のみを使用して歯磨きをした。実験群のほうは、最初の訪問で対照群の歯磨き粉を使い、2回目はPlaque HDを使用した。Plaque HDには、FDA(米食品医薬品局)登録済みのアナトーというベニノキ種子から抽出した色素と、FD&C Blue No. 1(日本での通称は青色1号)と呼ばれる、口腔内プラークに緑色を付着する染料が含まれていた。

 歯磨き後、参加者はフルオレセイン溶液でゆすいだ。歯の表面のプラークの存在はプラークに付着したフルオレセインで可視化され、撮影されて、残存プラークのパーセンテージがデジタル処理で計測、計算された。データ分析により、実験群の最初の訪問時のベースラインと2回目の訪問時とで、統計学的に有意な平均プラークの減少が示された。対照群では、1回目と比べてプラーク除去率が8%上昇しただけだった一方、実験群では50%以上のプラークが除去できていた。

 「この実験で、プラークを指し示す染料と適切な使用説明とを組み合わせた歯磨きが、大幅にプラーク除去効果を増大させることを実証した」と研究者らは結論づけている。

 Plaque HDの製造業者によると、この歯磨き粉には、自然由来・植物由来で、歯垢の原因物質を染めるTalgetol Technologyが組み込まれている。現在、Plaque HDは全米の歯科・矯正歯科医院とAmazonを通じて販売されており、プロ用が21ドル、小売り用が14.95ドルで入手できる。

 “Evaluation of plaque removal efficacy of a novel dye-containing toothpaste: A clinical trial(新規色素含有歯磨き粉における歯垢除去効果の評価:臨床試験)”というタイトルのこの研究は1月13日、International Journal of Dentistry and Oral Science誌に掲載された。

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