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サンスター財団、第4回世界歯科衛生士賞を贈呈

Dr. Sandra Kemperが「中南米における歯科衛生教育とサービスモデル」と題したSmiles Forever Foundationに関する報告を発表。(写真提供:Marc Chalupsky, DTI)

スイス、バーゼル : スイスを拠点とするサンスターは、GUM、BUTLER、Ora2など、有力なブランドを擁するオーラルヘルスケアのトップ企業として、口腔と全身性疾患の関係に対する総合的アプローチを重視している企業の1つである。第4回サンスター財団世界歯科衛生士賞授賞式で、サンスターは今回も一般社会と歯科業界に大いに貢献した3人の優れた歯科衛生士を表彰。 その受賞論文もまた、総体的な健康について新たな知見をもたらした。授賞式は6月24日にスイスのバーゼルで開催された2016年第20回歯科衛生国際シンポジウムで行われた。

国際歯科衛生士連盟の会長であるDr. JoAnn Gurenlianは、口腔と全身の健康とのつながりを研究するサンスター財団に感謝の意を表した。また、歯科衛生士による科学研究とコミュニティケアに対する継続的な貢献について触れ、歯科衛生士を称えた。

サンスター財団は、人々の口腔ケアの向上を目的として1977年に創設。この財団の世界歯科衛生士賞のコンテストは3年ごとに開催されており、歯科衛生の経歴をもつ個人が提出した研究およびプロジェクト部門の論文を、専門委員会が評価する。論文には1点から7点までの得点が与えられ、今年は全39件のうち、ほとんどの論文が6点以上を獲得。受賞論文は「International Journal of Dental Hygiene」誌上で発表されることが検討されている。

開会の挨拶では、サンスター世界広報責任者である金田真弓氏と学術責任者Dr. Marzia Massignaniが、サンスターがこの20年間にわたって口腔と全身の健康に関する教育の信頼できるパートナーであったことを強調。最初のシンポジウムは1986年に開催され、それ以降、医科歯科の最新の話題について、多数のハイレベルなイベントが開催されてきた。1997年には、米国ノースカロライナ州で開催されたサンスター・チャペルヒルシンポジウムで、口腔と全身の健康への体系的アプローチによる歯周療法学の最新の研究が紹介。会議で発表された知見の多くが、主流の知見となった。来年、サンスターは、次の20年間で最も重要なトピックに着手するため、歯科および医科の専門家を招待して新たな会議を開催する予定である。

Dr. Massignaniはさらに、世界最大の糖尿病研究および臨床ケア組織であるジョスリン糖尿病センターとの共催セミナーおよびシンポジウムで、歯周病が糖尿病およびそれらから生じる合併症と強く関連していることが広く認知されるように両組織で取り組んできたことを説明。また、第20回シンポジウムが1月にシンガポールで開催され、サンスターは、臨床医と患者に口腔の健康と糖尿病との強い関係性について新たなエビデンスを提供した。

シンガポールでのハイライトの1つは、新たな教育ビデオ「The Fascination of Science: The Invisible Made Visible(ミクロの世界を科学が解き明かす:見えない世界を見えるものに)」の公開であった。ビデオでは一流の研究者たちが、歯周病が糖代謝および心血管系に及ぼす影響を説明。歯周病をはじめ他の口腔疾患は、心血管疾患や、アテローム性動脈硬化および2型糖尿病などの他の全身性疾患の一因となる。ビデオは歯周病が原因の細菌による歯周組織の炎症メカニズムなどの興味深い序論から始まり、有効な歯科治療計画まで網羅した非常に有益な内容となっている。サンスターは、このビデオを患者向けのバージョンとともに7カ国語で公開している。

受賞者
研究部門では、Dr. Juliet Dangが「洗口吐出液検体における新規ヒトパピローマウイルスの同定および特性評価」と題する論文によって受賞。約200種類のヒトパピローマウイルス(HPV)がすでに知られているが、この論文は、クローニングおよびサンガー法シークエンシングとともに次世代シークエンシング技術を用いて、新たなHPVが同定し得るという仮説を提示した。健常者およびさまざまな種類の頭部がん頸部がんに罹患した患者から採取した洗口吐出液を用いて、3種の新規の発がん性の可能性があるHPVを発見した。

Dr. Rebecca M. Barryは研究部門で「オペレーターの位置および業務習慣との関連によるミシシッピ州歯科衛生士内の筋骨格障害の有病率」と題する論文によって受賞。Barry氏は、業務を行う歯科衛生士の大半が、使用するオペレーターの位置に関係なく筋骨格障害(MSD)を発症することに気づいた。この試験の参加者は、これまでの研究に示されたよりも短時間で、開業後すぐにMSDを発症。Barry氏は、本研究のミシシッピ州の歯科衛生士の4分の1未満しか人間工学に基づいたデバイスを使用していない事実も発見。彼女は、歯科衛生士の今後のMSDを低減または予防するために、適正なオペレーターの位置と人間工学に基づいたデバイスの使用を推奨した。

プロジェクト部門の受賞者として、Dr. Sandra Kemperは、「中南米における歯科衛生教育とサービスモデル」と題したSmiles Forever Foundationに関する報告を発表。非営利組織を通じて、彼女はボリビアなど発展途上国において完全な口腔ケアサービスの提供を支援。2001年以来、財団は学校と診療所を国中に設置しており、30名以上の女性が2年間のプログラムを修了して歯科衛生士になっている。
 

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