DT News - Japan - インプラントシステム選択における長期的視点の重要性

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インプラントシステム選択における長期的視点の重要性

ほとんどの歯科インプラント手術は、歯科医院あるいは病院で行われている。(Photograph: Alexander Tihonov/Shutterstock)
小宮山 彌太郎(歯学博士)

小宮山 彌太郎(歯学博士)

水. 27 8月 2014

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歯科インプラントに関する最新のコクランレビューは、非常に印象的なものであった。統計的に十分に立証された長期的な結果がレビュー著者により参照されると知り、興味を持ったが、調査結果は、いくつかのメーカーが推進するいわゆる容易で安価なインプラントシステムから始めるべきか、という疑問を歯科医師に残すものとなった。

 歯科医師たちが調査結果を次のように解釈することがないよう願っているのだが、このレビューは、全てのインプラントシステムを基に行われたわけではなく、現在使用されている1,300という限られた数のシステムで調査されたものだということを、我々は心に留めておく必要がある。生体組織の治癒過程における生理学的特性は、システムにより異なるわけではない。したがって我々は、科学的な調査結果やいかなる汚染もないきれいな表面特性、そしてフェイルセーフの概念に適した精密な構造-に基づいてシステムを選ぶべきである。

 私は施削加工インプラントに関する調査には同意見であった。施削加工インプラントにおけるオッセオインテグレイションの確立は、中程度に粗い表面のものより難しかったという印象がある。しかしながら、その理由を調査することが重要であろう。

 初期のころは、上顎であっても施削加工のパラレルウォールインプラントを設置すべく、3mmのドリルでインプラント丸ごとの長さが収まるよう準備した。いくつかのケースでは初期安定性を得ることが難しかった。私の31年の経験では、一度オッセオインテグレイションが確立されると、組織周囲の炎症はまれであり、オッセオインテグレイションは何年にもわたって安定した状態にある。

 歯科医師は、使用するインプラントシステムの選択において、長期的な視点を持つべきである。インプラントシステムの「新しさ」は、歯科インプラント分野に関連した尺度ではない。我々は歯科医師として、基礎科学を重視し、ブローネマルクによって提案されたオリジナルのプロトコルを再評価するべきである。

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