Dental Tribune Japan

研究者たちが歯科現場で新型コロナウイルスの拡散を防ぐテントを開発

By Jeremy Booth, Dental Tribune International
March 01, 2021

シンガポール:シンガポール国立大学(NUS)の研究者らは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為、歯科治療時に使用する携帯用テントのようなシールドを開発しました。「歯科の飛沫とエアロゾル低減テント-デンタルダート(The Dental Droplet and Aerosol Reducing Tent—the Dental DART—)」と名付けられた折り畳み式の透明構造の板は、新型コロナウイルス等の直接および間接的な曝露を減らすバリアとして、患者の頭の周りに配置されます。

デンタルダートは歯科治療専用に開発されたものであり、2020年にNUSの研究者がパンデミック時に医療従事者を保護するため開発した初期のダートデバイスをベースにしています。NUSのプレスリリースの中で、このプロジェクトのリード研究者である同大学のイノベーション・エンタープライズ担当副学長フレディ・ボーイ教授は、「デンタルダートはデザインを進化させたもので、歯科治療中に発生するエアロゾルに含まれる潜在的な感染剤から歯科医とその患者を守るために準備されています。」と述べています。

デンタルダートは60cmから70cmの間で幅を調節できるので、様々なサイズの歯科用の椅子に使用できます。この装置には下面がないので空気を取り入れる事ができ、歯科医師や看護師が歯科処置を行う際にに手を伸ばすことができるよう3つのアクセスポイントがあります。この装置は歯科用の椅子に設置された真空ポンプに取り付けられているため、感染の可能性のあるエアロゾルや飛沫をテントから除去し、清掃システムに誘導することができます。NUSによると、テントは臨床医の手、腕、器具によって汚染される数を減らし、治療室内の表面へのエアロゾルの拡散を制限できます。

NUS曰く研究者らは、高汚染のスケーリング処置の前後に治療チームが着用した個人用保護具(PPE)のフェイスシールドと歯科用チェアライトの表面上の細菌含有量を測定することで、この装置を臨床現場でテストしたといいます。「結果としてデンタルダートを使用した治療後、これらの表面上の生菌数の増加は見られませんでした。一方、使用しなかった場合は14倍の汚染の増加が見られました。」とNUSは述べました。

「デンタルダートは歯科医院の設定でより安全な環境を提供し、新型コロナウイルスのパンデミックによって課される不安や心理的苦痛を減少させることができます。」- マンディープ・シン・ダッガル教授(NUS)より

この装置の共同発明者であるヴィニシウス・ローザ博士は、次のように言及しています。「個人用保護具(PPE)は、歯科治療でエアロゾルにさらされた後に感染する可能性があります。デンタルダートの使用は、臨床医が腕、手、器具をテントから取り出す際に、PPEのエアロゾルへの曝露を減少させ、さらなる環境汚染を防ぐことができます。」

研究チームは「デンタルダート」の特許を出願しており、シンガポールをはじめ世界中の歯科チームがこの装置を利用できるようにするために、医療部門や他の業界パートナーと協力していきたいと考えています。

NUS歯科の共同発明者であるマンディープ・シン・ダッガル教授によると、歯科用DARTはパンデミックの間に患者や歯科専門家が経験したストレス軽減への役割を果たすことができると述べました。彼は「歯科医療は必要不可欠な治療であり、このパンデミックが始まって以来、多大な被害を受けてきました。シンガポールの多くの歯科医院では、新型コロナウイルス流行中のエアロゾルを使用した処置を全面的に禁止しています。こういった極端な措置を課すことは理解できるものの、適切な治療を受けられない何千人もの人々を抱えています。我々のデンタルダートは、歯科医院の設定でより安全な環境を提供し、新型コロナウイルスのパンデミックによって関係者全員に課せられた不安と心理的苦痛を減少させることができます。」と言及しています。

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