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歯科医療の視野を広げましょう

2015年9月より世界歯科連盟(FDI)の会長を務めるDr. Patrick Hescot。(写真:FDI)

ポズナンへようこそ! 9月7日から10日の3日間、ここが全世界の歯科医療の中心となります。今回で104回目を数える世界歯科連盟(FDI) 年次総会(AWDC) が、初めてポーランドで開催されます。世界中から数千人の歯科医師や口腔ケアの専門家が集まり、そのスキルを向上させるべく最新の歯科医療の技術および実践について学び、国内外の専門家による広範囲にわたる科学的セッションに参加します。

AWDCは、「知識・専門技術を共有し、仮説に挑み、歯科医療の視野を広げる機会」なのです。会議の参加者がプレゼンテーションに参加しなくとも、国際的な歯科医療の展示会場を見学できます。そこでは、200を超える各国企業や多国籍企業が、最新鋭の歯科医療機器や材料、そして最新の口腔ケア製品を展示することになっています。今回の2016年度の展示会場の面積は約5,000 m2で、ブラジル、中国、インド、韓国、スイス、イギリスおよびアメリカの7ヵ国の展示会場が設けられています。

この会議の共同事務局であるFDIは、135以上の国々にある約200の各国会員組織や専門家グループを通じて、世界中に100万人以上を数える歯科医師の主要代表機関としての役割を担っています。このAWDCは、100年以上の歴史があり、FDIの最も重要なイベントとなっています。展示エリアの中央ホールに位置するFDIの展示会場を訪れると、世界中で進行しているFDIの活動やプロジェクトに関する最新情報について特別な見識を得ることができます。

2012年以降、世界口腔保健フォーラムはAWDCに不可欠であり、今日の歯科医師が直面している主要な社会的・経済的・政治的な課題について、議論が行われることを目指しています。今年は、現在批准の途上にある「水銀に関する水俣条約」、特に歯科用アマルガムの漸減に関する規定への対応を中心に、世界中の歯科医による議論が行われる予定です。歯科用アマルガムは約150年にわたってむし歯による窩洞の充填に使用されてきており、このフォーラムでは歯科医療従事者の視点から、この漸減の課題と機会について取り組むことになっています。

また、AWDCは歯科医療・口腔保健に関する「世界会議」も主催しています。これはFDIの総会のことで、FDIの上位にある管理・立法機関であり、より非公式なオープンフォーラムです。歯科医療・口腔保健に関する「世界会議」の役割のひとつは、FDIの政策声明について議論・採択することにあります。この声明では、口腔衛生、口腔衛生政策、歯科医療の専門職に関連する多様な問題について最新の考え方が宣言されます。今年は11の政策声明が提出される予定です。

ポーランドには歯科医師有資格者が約3万人います。そのうち約80%は女性であり、世界でも女性歯科医師の比率が最も高い国の一つです。23,000軒の歯科医院が開業していると推定され、歯科医療機器やサービスについては急激に成長しつつある市場でもあります。ポーランドは、豊かな文化、個性的な都市、壮大な森林、山岳地帯、湖、そして親切な国民からなる国です。会議や展示会に訪れる皆様は、ぜひこの機会を利用して、この素晴らしい国を満喫いただきたいと思います。

FDIに代わり、今年(2016年)の世界歯科連盟年次総会への参加を、あらためて歓迎いたします。

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