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歯科医の多くが腰痛に悩む

腰痛は、世界中の多くの歯科医で最もよくある症状である。(Photograph: Anna Jurkovska/Shutterstock)

サウジアラビア・ジッダ:仕事に関連する筋骨格障害は、顕著かつ増加していく課題で、一般に、60~90%の人々が生涯のどの時点かで腰痛に悩まされると見られている。サウジアラビアで行われた研究によると、特に歯科医は心地の悪い姿勢で静止するため、肩・首・腰の痛みのリスクが高いことが確認された。

 研究では、平均年齢が25.7歳の60人の歯科医(男女)が、匿名で腰痛に関するアンケートに答えた。

 参加者の約70%が背部痛を訴え、症状のうち腰痛が主な者は48%であった。半数以上の57%の歯科医が、1日に1~3人の患者を診ていた。研究者らによると、関連する要因として歯科医の年齢、1日の患者数、治療の種類が示唆されるという。しかし、経験年数、これまでに治療した総患者数、1日の勤務時間は、背部痛発生との相互関係がなかった。

 さらに、休憩時間に体操をする者は17%しかいなかったが、57%が勤務時間中に小休止をしていた。また、仕事に関連する筋骨格障害の発生率の高さは、歯科医にとっての大きな懸案事項であると研究者らは指摘している。

 研究者らは、歯科医における仕事関連の背部痛はおそらく、座位で発生する腰部と腹部の筋肉の不均衡に起因する可能性があると言及している。加えて、繰り返し患者側に前傾すると、腰部伸筋に負担や無理を強いることになり、一方で、腹筋深部はじっとしているために弱くなる。

 研究参加者の63%が補助的な道具により姿勢がよくなると感じているが、補助器具を使っているのは40%にとどまっていた。

 研究参加の歯科医の多くが腰痛を報告しているにもかかわらず、激しい痛みとする者は9.5%しかおらず、90%以上が中程度で激しくない痛みであると表現している。「このことが、なぜ歯科医の多くが整形外科医や理学療法士に相談しないのか、という理由である」と研究者らは述べている。

 仕事関連の筋骨格障害リスクを減少させるために、仕事中の姿勢改善と同時に、休憩時間中の緊張緩和の実践やストレッチ体操を研究者らは推奨している。

 King Abdulaziz University (サウジアラビア)で行われたこの研究“Prevalence of and risk factors for low back pain among dentists(歯科医における腰痛の有病率とリスク要因)”は、Journal of Physical Therapy Science誌の2015年9月号に掲載された。

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