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歯周病治療しても糖尿病は治らない―米研究

水. 8 1月 2014

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糖尿病と歯周病には深いつながりがあるが、歯周病を治療したからといって、糖尿病まで治るわけではないようだ。米ニューヨーク大学歯学部のSteven P. Engebretson氏らは、歯周病を治療して6カ月が経過しても、血糖値やヘモグロビン(Hb)A1cなど糖尿病の状態を表す数値に変化が認められなかったと、米医学誌「JAMA」(2013; 310: 2523-2532)に発表した。 

健康な歯の維持にはメリットあり

 Engebretson氏らは、2009~12年に中等度~重度の歯周病を合併している糖尿病患者514人を登録し、歯周病治療(スケーリング、ルートプレーニング=ともに歯石除去=、クロルヘキシジンによるデンタルリンスなど)を受けるグループとそうでないグループに半数ずつランダムに分類。6カ月後に歯周病と糖尿病の状態を表す数値を調べた。

 その結果、歯周ポケットの深さや歯肉炎の程度など歯周病の状態を表す数値は、歯周病治療を受けたグループで改善したが、糖尿病の状態を表す数値のHbA1cは変わらなかった。これは3カ月後でも同じだったという。

 さらに血圧、体重、空腹時の血糖値、インスリン感受性を示すHOMA2S、インスリン分泌能を示すHOMA2βも変化がなかった。

 以上のことから、Engebretson氏らは「HbA1cの低下を目的とした歯周病治療を支持することはできない」と結論。その一方で、糖尿病患者への歯周病治療は「健康な歯やかむ機能を維持することに利益がある」としている。

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