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新型コロナウイルス感染、再感染そして免疫。研究者が語ることとは

Iveta Ramonaite, Dental Tribune International

Iveta Ramonaite, Dental Tribune International

月. 8 2月 2021

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ハーロウ(英国):新型コロナウイルスの症状、リスク、回復時間を含む内容に関する多くの疑問に答えが出た昨今、研究者は新たな窮地に直面しています。それは新型コロナウイルスの再感染と免疫です。稀なことですが再感染が起こることは明らかであり、最近の研究では、新型コロナウイルスから回復した人が再感染から守られているかどうかを調査しました。その結果、過去の感染が自然免疫を提供している可能性があること、また、当該免疫が最初の感染から約半年間有効であることが示唆されました。

新型コロナウイルス再感染に関する最大規模の研究とされる英国の研究者は、6,614人の医療従事者を募集しました。彼らは2~4週間毎に新型コロナウイルスのポリメラーゼ連鎖反応と抗体検査を受け、2週間ごとに症状や晒される症状に関するアンケートを記入しました。研究者らは、新型コロナウイルス感染の既往歴がある参加者の約83%がウイルスに再感染するリスクが低く、免疫力は一次感染後少なくとも5カ月間持続することを明らかにしました。しかし研究者らは、以前に感染した人たちがウイルスを持ち越して感染する可能性がある事を排除していない状況です。

「この研究では新型コロナウイルスに対する抗体保護の性質について、今までの中で最も明確な画像を提示してくれましたが、人々がこれらの初期の知見を誤解しないようにすることが重要です」と、主著者であるスーザン・ホプキンス博士は声明で述べています。

「現在、ウイルスに感染して抗体を獲得した人々のほとんどが再感染から保護されていることは事実ですが、これは完全なるものではなく保護がどのくらい持続するのかはまだわかっていません。重要なのは、人々はまだウイルスを再感染させるリスクがあるということです。」と彼女は続けました。

「再感染は通常、大半が初期の感染に対する免疫反応の結果として恐らく症状が軽くなるようです」- フランシス・クリック研究所ジョナサン・P・ストアイ博士より

この研究について、ロンドンのフランシス・クリック研究所のウイルス学者であるジョナサン・P・ストアイ博士は、デンタル・トリビューン・インターナショナル(DTI)に次のようにコメントしています。「英国の医療従事者を対象としたSIREN [(SARS-CoV-2 Immunity and Reinfection Evaluation)新型コロナウイルスの免疫力と再感染の評価]の研究では、感染によってある程度の保護が得られることがわかっていますが、再感染が発生するケースもあります。再感染は通常、常にではありませんが症状が軽くなるようで、おそらく元の感染に対する免疫反応の結果と言えます。」

ワクチン接種と自然免疫

歯科医師をはじめとする医療従事者が、医療制度を圧迫しないために予防接種を根気よく待つ中で、「予防接種で得られる免疫は自然免疫よりも優れているのか」という重要な疑問が生じてきます。もしそうであるならば、ワクチンによる免疫はどのくらい持続するのでしょうか?現在、再感染に関するデータがほとんど無い為、研究者はまだ明確な答えを出すことが出来ません。

ワクチン接種による免疫と比較した自然免疫の有効性について、米国エール大学医学部の免疫生物学および分子・細胞・発生生物学のウォルデマー・フォン・ゼッドウィッツ教授である岩崎明子博士は、DTIに対して次のように述べています。「自然免疫は再感染からの保護にかなり優れているようです。しかし、mRNAワクチンは新型コロナウイルスに対する優れた効果(~95%)を持っています。感染後の免疫がどのくらい持続するかは不明ですが、ワクチン接種はブースター注射で高レベルの防御免疫を維持できるという利点が挙げられます。」

同様にストアイ氏は、ワクチンによって免疫が長続きすることに期待を寄せています。彼は「自然感染に対する免疫反応の程度は様々であることが分かっています。ワクチンを接種する事で、より一貫して高いレベルの免疫が得られるようになることが期待されています」と述べています。

新型コロナウイルスに初めて再感染したのは、香港在住の33歳の男性だと言われています。CNNによると、スペイン旅行から帰国した8月15日に2度目の感染が確認されています。この患者は最初の感染から4.5ヶ月後に再感染しており、免疫反応はかなり短命だった事がうかがえます。BMJ誌に掲載された論文によると、それ以来、科学者たちは世界で31件の新型コロナウイルスの再感染を確認しており、そのうち2件は死亡に至っています。

「抗体陽性の医療従事者は抗体陰性の医療従事者よりも新型コロナウイルスの感染率が低い?イギリス、大規模多施設プロスペクティブコホート研究(SIREN試験)。6月から2020年11月まで」と題されたコホート研究は、2021年1月15日にmedRxiv上でオンライン公開されました。

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