Dental Tribune Japan

抗炎症コーティングされたインプラントで、術後合併症の低減可能性

By By Dental Tribune International
September 24, 2020

ハレ/ザーレ(ドイツ):医科用インプラント周囲に生じる慢性炎症反応により、歯科と同様、医科領域でもインプラントに不具合が生じることがある。マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク(MLU)の研究者は最近、体内で望ましくない炎症反応が生じることを抑制するため、インプラントに抗炎症物質を塗布する新たな手法を開発した。このような新規コーティングは歯科領域での応用においても興味深いものになるであろう、と研究者らはいう。

合併症がインプラントの埋込後に生じることは稀ではない。免疫システムはインプラントを異物とみなし、排除しようと試みる。
MLUの生物物理学者Thomas Groth教授の研究チームは、免疫システムのインプラントに対する反応を前もって調整する簡単な方法を探していた。そこで同研究者らは、既に抗炎症作用を有することが確認されている2つの物質、ヘパリンとヒアルロン酸を含有する、インプラント用新規コーティングを開発した。
この研究では、この2つの物質を厚さわずか2~3ナノメートルの層に塗布することで表面を処理した。「この層はかなり薄いため、インプラントの機能に影響しません。しかし、炎症反応が消退するまで免疫システムの反応を抑制するのに十分な活性物質を含ませる必要があります」と、Groth教授は説明する。細胞実験では、この2つの物質がマクロファージによってどのように吸収され、それにより細胞培養中の炎症がどのように軽減されるかを観察した。未処理細胞には、顕著な炎症反応を示す明らかな徴候が観察された。これはマクロファージ内部の活性物質が免疫反応と細胞死に不可欠な特異的シグナル伝達経路に干渉することで起きる。「ヘパリンとヒアルロン酸はいずれも、ある種の炎症性メッセンジャー物質の放出を抑制します。ヘパリンはマクロファージ細胞によって吸収されることがあるため、いっそう効果があります。さらに、これまでに私たちはこの手法を利用し、インプラント埋入前の骨欠損部の充填や、骨増生を目的とする歯科用リン酸カルシウム材をインプラントにコーティングしました。現在はパートナー企業が動物試験を実施中、あるいは評価中で、今後、組織反応に関する情報が提供される予定であり、歯科への応用でも興味深いものとなるでしょう」と、Groth教授は述べた。
この研究は、「Studies on the mechanisms of anti-inflammatory activity of heparin- and hyaluronan-containing multilayer coatings—targeting NF-κB signalling pathway」の標題で、International Journal of Molecular Sciencesに2020年5月25日に発表された。

出典:News International 2020/7/8

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