Dental Tribune Japan

弘岡秀明氏 & ジョバンニ セリーノ氏 対談インタビュー -Peri-implant disease Ⅲ-

By Dental Tribune Japan
October 24, 2012

弘岡秀明ペリオコース15周年記念講演会が2012年7月14日(土)、15日(日)、株式会社ヨシダ(東京都台東区)にてスタディーグループJournal Club主催により開催された。 弘岡秀明氏(東京都開業)、歯科衛生士 加藤典氏(東京都勤務)に加えて、スウェーデンから講師として招聘されたGiovanni Serino氏は、イエテボリ近郊街 ボロースにあるBorås Hospital スペシャリストクリニックの歯周病科主任を務め、日常的に歯周病やインプラント周囲病変の治療、研究にあたっている。本対談は記念講演会に伴う特別企画として、インプラント・歯周病治療先進国といわれるスウェーデンで起きている、インプラント周囲病変の問題、今後、日本で起こりうる問題点などを議題に、両氏にお話いただいた。 第3編は、「インプラント周囲病変 対処法とトレーニング」です。  

【弘岡】
セリーノ先生をはじめスウェーデンの歯周病専門医は、
インプラント周囲病変を数多く扱っているとのことですが、
一般臨床の現場で、歯科医や歯科衛生士は、どのように対処しているのでしょうか?

【セリーノ】
スウェーデンでもこの病変は新分野ですので、GPや歯科衛生士には、
この問題への対処法が十分周知されているとはいえません。
スウェーデンでは、インプラント周囲炎の患者は、私たち専門家に紹介されます。
それを受けて、私たち専門家が、その病変に対処します。

歯科衛生士は、インプラント周囲粘膜炎の実績はすでにありますが、
インプラント周囲炎を発症していれば、手術が必要となりますので、
歯科医が手術を行います。手術後は歯科衛生士が適切に患部のケアを行います。

【弘岡】
GPが手術不要なインプラント周囲病変と判断した患者さんでも、
口腔外科やかかりつけ歯科医ではなく、歯周病専門医に紹介すべきでしょうか?

【セリーノ】
はい。こうした患者さんが、歯周病専門医に紹介されるのは、
しっかりした治療システム…適切な治療器材が揃っているからです。
それに、口腔外科の専門医資格を取得していても、
インプラント周囲病変の問題は診たくないと感じる歯科医は少なくありません。

同様に、補綴医も新しい補綴処置は敬遠しがちですので、
私たちが引き受けますし、それが正しいのだと思います。

【弘岡】
私たちはスウェーデンで、同じトレーニングを、1989年から…

【セリーノ】
91。

【弘岡】
91年に受けましたね。

【セリーノ】
ええ。

【弘岡】
そのときの大部分は、歯周病に関するトレーニングでした。
インプラント周囲病変を扱おうとする歯科医が受けるべきトレーニングでは、
インプラント周囲病変に特化したものか、歯周病の分野、どちらが良いですか?

【セリーノ】
えぇと、どういう意味の質問ですか?

【弘岡】
例えば、私たちは極めて伝統的な、歯周病学的アプローチ、歯周炎の延長で、
インプラント周囲炎を扱うトレーニングを受けましたが、
現在では、この病変に特化した、新しい治療分野ができています。

この新分野に合わせたシステムによるトレーニングを積んだほうが良いですか?
最近の歯周病学の教科書では、約半分がインプラントに関する記述です。

でも、インプラント周囲炎を罹患する患者数はきわめて限られています。

トレーニング期間の半分は、インプラント周囲病変を扱っていますね。
こういった新しいトレーニングについてどう思いますか?

【セリーノ】
そうですね。
今、インプラント周囲炎を歯周炎と同じように治療するのは、
問題ですが、知識不足の問題もあると感じています。

インプラント周囲炎については、さらなる技術開発はもちろんですが、
新しい観点から、この病変をとらえることが必要です。

実際の臨床面を考えると、歯周病分野ではインプラント周囲病変は中心主題でなく、
私の科で治療しているのは、80%が歯周病、20%がインプラント周囲病変です。

手術にはスキルの習熟が要りますので、
専門臨床の学生は、この種の問題をどう見るか関連分野を学ぶ必要がありますが、
インプラント患者の人口比率は、それほど高くありません。

インプラント関連の知識を得ることは良いことだと思いますし、
治療法を知ることも必要だと思う反面、半分を占めるのは有り得ないと感じます。

【弘岡】
多すぎると。

【セリーノ】
多すぎます。
 

弘岡氏×セリーノ氏 Special Inteview シリーズ

Dr. Hirooka × Dr. Serino  Peri-implant disease Ⅰ 「インプラント周囲病変 多発要因と上部構造」
Dr. Hirooka × Dr. Serino  Peri-implant disease Ⅱ 「インプラント周囲病変 治療法と予防対策」
Dr. Hirooka × Dr. Serino  Peri-implant disease Ⅲ 「インプラント周囲病変 対処法とトレーニング」
Dr. Hirooka × Dr. Serino  Peri-implant disease Ⅳ 「インプラント周囲病変 治療計画とフォローアップ」

INFORMATION
弘岡秀明ペリオコース15周年記念講演会に関するレポートは、
医歯薬出版社「歯界展望10月号」に掲載されます。ぜひご覧ください。
タイトル:弘岡秀明ペリオコース15周年記念講演会「インプラント周囲病変への対応」
執筆者:冨岡栄二・鶴屋誠人
掲載誌:歯界展望 120巻4号(2012年10月号) 764-765ページ

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