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児童の口腔内微生物調査

研究では、月齢3カ月および3歳の児童の頬粘膜、舌、歯槽隆起からのバクテリアのサンプルが取られた。(Photograph: llike/Shutterstock)
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水. 24 6月 2015

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スウェーデン・ウメオ:口腔内の微生物叢は、誕生時の仮想無菌状態から最も極度に微生物コロニーが形成された人体パーツの1つへと発展する。異なるバクテリアがどのようにう蝕(虫歯)の有病率に影響するかを調査する目的で、ウメオ大学の科学者らは、児童の口腔内微生物の構成を詳しく調べた。

 微生物コミュニティが口腔内でどのように棲みつき成長していくかという洞察を得るために、スウェーデンの研究者らは、155人の児童の口腔内微生物叢をモニターした。バクテリアのサンプルは、2つの臨床検査で月齢3カ月および3歳の児童の頬粘膜、舌、歯槽隆起から採取された。また、歯からこすり取られたプラークおよび唾液も採取された。食事の摂取、出産方法、抗生物質またはプロバイオティクスの使用、アレルギーといった健康に関する情報は、児童の親により提供された。

 う蝕のある13人の児童と、3歳時にう蝕がなかった142人のサンプルを比較することにより、科学者らはいくつかの結論を引き出すことができた。研究では、ActinomycesBergeyellaCampylobacterGranulicatellaKingellaLeptotrichia、およびStreptococcusからのバクテリア株は、健全な歯に関係しているように思われた。対照的に、3歳時でのう蝕に関連した主な種(phylotypes)は、ActinobaculumAtopobiumAggregatibacterおよびStreptococcus属であった。

 研究ではまた、口腔内微生物の豊富さと多様性が、一生の最初の3年間で著しく増加することも分かった。一意な種の平均値(最小値-最大値)は、3カ月の幼児で31(14-59)、3歳の児童で89(67-128)であった。

 データはバクテリアの種類の増加を示したが、年齢により幾つかの菌種が失われてもいた。しかしながら、今回の研究において、月齢3カ月の口腔内微生物の構成は、後年のう蝕進行と無関係だったと研究者らは結論を出した。

 “Maturation of oral microbiota in children with or without dental caries(う蝕の有無による児童の口腔内微生物の成熟度)”というタイトルのこの研究は5月28日、PLOS ONE誌オンライン版に掲載された。

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