事業中断保険：歯科医のロックダウン関連の損失にも保険が適用されるのか？

一般的にBI保険は、特定の事象により収益の損失を被った企業を保護するものです。具体的な内容は保険会社によって異なりますが、通常通りの取引ができない期間の家賃、賃金、光熱費などをカバーする傾向があります。

BI保険の保険金請求は、洪水、火災、サイクロンなどの自然災害が引き金となることが多く、従来は、物的損害や物的損失が明らかになっていないと請求できないようになっていました。しかし近年では、2002年の重症急性呼吸器症候群の流行のような感染症の発生により、病気やウイルスの蔓延を食い止めるために歯科医院などの閉鎖を余儀なくされた企業をカバーするBI保険が登場しています。

デンタル・トリビューン・インターナショナル（DTI）は、広範囲に及ぶ政府のロックダウンによって世界中の歯科医院が患者との扉を閉めることを余儀なくされ、どのように混乱に陥ったかを広範囲に記録してきました。その後は多くの歯科医院が再開しましたが、患者数はパンデミック前に比べて大幅に減少しており、英国で現在実施されているような活動目標は、パフォーマンスが低いと判断された歯科医院には金銭的なペナルティを科すという脅しで歯科関係者を怒らせています。

BI保険、歯科医院、ロックダウン

失われた収益を取り戻すためにBI保険を利用しようと考えている歯科医院にとって、最近の判決は複雑なものとなっています。先月、英国最高裁は、新型コロナウイルスのパンデミックとそれに伴う政府の規制に関連したBI請求を行う企業を概ね支持する判決を下し、NASDAL（全国歯科専門会計士・弁護士会）はプレスリリースで、今回の判決は保険をかけた歯科医院にとって「生命線を提供する可能性がある」と宣言しました。

「これは、新型コロナウイルスのロックダウン後の事業中断を請求する保険契約者にとって素晴らしいニュースのように見える」と、NASDALのメンバーであり、会計事務所Oliver Clive + Coのパートナーであるスティーブン・デイビッドソン氏は同じプレスリリースの中で述べています。デイビッドソン氏は、今回の判決は「多くの数千人の請求者に明確さを与えている」としながらも、「まだ解決すべき問題がいくつかある」と認めています。

「一つの［問題］は、パンデミックによる混乱が一つ以上の出来事であることを保険会社が受け入れるかどうかという問題であり、この問題は最高裁で決定されたものではなく、今後の訴訟で決定されなければならない可能性がある」とデイビッドソン氏は指摘しました。

「また、適用されるサブリミットや複数のサブリミットが、保険契約上の1つの損失、1つの請求、1つの発生、1つの事象、または1つの発生原因に適用され、特に損害を伴わないBIエクステンションの場合に回収可能かどうかという問題もあります」と彼は結論付けています。

オーストラリアでは、昨年末にニューサウスウェールズ州の控訴裁判所が同様のテストケースを審理しましたが、その判決は英国の最高裁と同様のものでした。その判決では、BI保険は一般的に企業が被るパンデミック関連の損失をカバーすべきであるとされています。

ナショナル・ロー・レビューの最近の記事によると、米国ではBI保険に関する訴訟は、主に新型コロナウイルスに起因する制限が「物理的損害」または「物理的損失」に該当するかどうかに焦点が当てられています。これまでのところ、ほとんどの裁判でBI保険は適用されないとの判決が出ており、ニューメキシコ州の歯科医であるマイケル・デイヴィス医師の意見では、「多くの不満を持つ歯科医がいる」とされています。

「新大統領政権には一定の目標があり、これは彼らの関心領域外にあるようです。」とデイヴィス氏はDTIに語りました。デイヴィス氏は、デンティストリー・トゥデイに、2020年6月にBI保険の実行可能性が疑わしいという記事を執筆し、その出版から数ヶ月の間にあまり変化はなかったと述べています。