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リンパ節転移比率が口腔癌の重篤度を示す指標に

By By Dental Tribune International
April 13, 2019

オーロラ(米国コロラド州):口腔癌はその発生段階の晩期でのみ発見されることが多いため、進行癌患者の5年生存率はわずか40%である。コロラド大学デンバー校(CU Denver)の研究者がこのたび、郭清リンパ節に対する転移リンパ節の割合(Lymph Node Ratio:LNR)が口腔癌の重篤度を示す指標になることを見いだした。各患者の疾患経過の予測向上に役立つだけでなく、医師が最適な術後治療を選択する上でも役立つだろう。

コロラド大学がんセンターの研究者は、2000年~2015年に局所進行口腔癌のため、UC Health大学コロラド病院で手術や術後治療を受けた患者149名の情報収集データからパターンを探った。

「我々は、このような患者、腫瘍あるいは治療の特性から生存予測が可能であるかどうかを知りたいと考えました」と、筆頭著者でコロラド大学放射線治療部の医学生であるDing Ding氏は語った。

この研究の第1段階として、研究者らは、非白人、保険未加入者かメディケイド加入者、より大きな原発巣がある、術後も検査で癌陽性を示した腫瘍の周囲に「マージン(辺縁)」がある、あるいは周囲組織にすでに浸潤した腫瘍があるなど、過去の臨床研究で得られた結果に基づく少数の予測リスク因子のいずれでも、全生存率の短縮が予測されることを確認した。

癌のリスク予測モデルでよく使われる別の因子に、リンパ節浸潤の程度がある。「口腔癌における現行のリンパ節分類は、転移リンパ節の壁を越えた腫瘍のサイズ、数、左右差、拡がりに基づくもの」とDing氏は説明。「乳癌などのその他の癌種では、リンパ節浸潤のその他指標、つまり外科的に切除した癌転移陽性リンパ節の比率から治療転帰を予測可能か否か、が研究者によって検討されてきました。我々は、LNR(Lymph Node Ratio:郭清リンパ節に対する転移リンパ節の割合)が口腔癌でも生存予測因子になり得るのではないかと考えました」。

全臨床研究参加者において術中に摘出されたリンパ節は中央値で29個であった。切除リンパ節の約9%が癌陽性であった。これは、一部の患者でLNRが10%を超える一方で、LNRが特に低い患者や、ゼロの患者もいることを意味する。本試験の結果、LNRが10%を超える患者はLNRが10%未満の患者と比べて、癌再発リスクが約2.5倍、死亡リスクが2.7倍上昇していた。

「今回の試験では、LNRが従来のリンパ節分類法よりも、患者の転帰の予測能が向上すると思われました。今回の所見を検証するには、さらに大規模な臨床研究が必要で、現行の再発リスク評価モデルにLNRを組み込む方法は検討する価値があると考えられます」とDing氏は付け加えた。

侵襲性の高い癌患者には術後に、より集中的な化学療法や放射線療法が必要となるが、侵襲性の低い癌患者には、全量での治療実施を控えることも多い。従って、局所進行口腔癌からの再発および死亡リスクが比較的高い患者の同定にLNRの利用を支持するエビデンスが増えており、本試験は、それに加わるものである。

本試験は、「Association between lymph node ratio and recurrence and survival outcomes in patients with oral cavity cancer(口腔癌患者におけるリンパ節転移比率と再発及び生存アウトカムとの関連性)」のタイトルで、2018年11月15日付けでJAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery誌上にオンラインで公表されている。

出典:News Americas 2018/12/26

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