Dental Tribune Japan

トゥレット症候群患者を支援する口腔スプリントの開発

By By Dental Tribune International
December 25, 2019

大阪:歯科医は、患者の口腔以外の問題ではあるが、何らかの形で口腔衛生に影響を及ぼす可能性のあるいくつもの問題に遭遇することがある。トゥレット症候群は不安、抑うつ、低い自尊心の原因になることがあり、破壊的な口腔病変を引き起こすことさえある。トゥレット症候群患者をサポートするために、日本の研究者らが小児および成人のチックを軽減することのできる着脱可能な口腔装置を開発した。

トゥレット症候群は、一般的にはチックとして知られる、反復する動作または発声によって特徴付けられる。これらが患者の生活に及ぼし得る負の影響は重大である。トゥレット症候群の治療法はないが、処置上の選択肢がいくつかある。しかし、結果が得られるまで、ある程度時間がかかることがあるのも事実である。

本研究の筆頭著者の1人である大阪大学の村上旬平博士は、このマウスピースについて、「本装置をかみ締めることにより、本研究に参加した小児14名中の10名、成人8名中の6名で、運動チックおよび音声チックの両方が直ちに改善された。しかも、これらの効果は長期間持続した。100日超後の運動チックの長期改善は、チックが最初に始まった年齢が若い患者で特に顕著だった」と述べた。

研究者らは、顎関節症の治療に使われるものに似たオーダーメイドの口腔スプリントを開発した。それを試験参加者の臼歯に装着すると、鼻、口唇および顎の位置が調整された。この研究において研究チームは、スプリントをかみ締めることで得られる良い結果は、感覚トリックとして知られる何かに起因するものではないかと報告している。感覚トリックとは顔や頭の一部に触れることを含む随意的な操作のことで、これにより不随意運動を軽減することができる。別の筆頭著者である神戸大学の橘吉寿博士は、「頚椎ジストニア患者における感覚トリックについてのこれまでの所見を考慮すれば、口腔スプリントが固有受容感覚シグナル、もしくは「触覚」シグナルを変調している可能性がある」と説明している。

この口腔装置の有効性を検証するにはより大規模な試験が必要であることを認めたうえで、それでも研究者らは、この口腔装置にはトゥレット症候群患者の生活の質を改善できる明確な治療可能性があると指摘した。

この研究は「口腔スプリントはトゥレット症候群患者のチック症状を改善する(原題:Oral splint ameliorates tic symptoms in patients with Tourette syndrome)」との標題で、刊行物への掲載に先立ち、2019年8月23日にオンラインでMovement Disordersに発表された。

 

出典:News International 2019/9/18

 

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