インプラント周囲炎の治療に 有効な新しい外科的処置

Search Dental Tribune

インプラント周囲炎の治療に 有効な新しい外科的処置

重度のインプラント周囲炎により汚染されたインプラント表面を清掃・修正する新開発のチタン製丸型ブラシを用いたプロトコールを韓国の研究者が発表(写真:Yin-Zhe他)
Dental Tribune International

Dental Tribune International

月. 30 10月 2017

保存する

ソウル(韓国):インプラント周囲炎の最も一般的な原因はインプラント表面へのバイオフィルムの形成である。よって、表面に付着した汚染を効果的に除去することは、インプラントの失敗を回避する上で不可欠である。韓国の研究者が新しい外科的処置を試行し、インプラント周囲炎の治療における有望な結果を示した。

この研究では、重度のインプラント周囲炎を呈する男性患者(50歳超)2名を対象とした。臨床医はチタン合金製毛先を備えた丸型ブラシR-Brush(Neobiotech社)を用いて汚染されたインプラント表面を清掃した。さらに、インプラント周囲の骨を再形成させるために、骨移植材を利用した再生治療を実施した。
「チタン製ブラシは、インプラント表面のバイオフィルム除去において極めて効果的であることが証明された」と研究者は記している。ブラシは汚染された元の粗糙表面を除去するだけでなく、新たなインプラント粗面を形成した。この新たに形成された表面は再生過程の成功率および予知性を向上させることが、治療後3カ月、6カ月、および12カ月目のフォローアップ評価により示された。
2年にわたるフォローアップ期間中、骨レベルは維持された。根尖周囲部のエックス線写真では安定した歯槽骨の高さが示され、骨吸収は近心および遠心側のいずれにも認められなかった。
「本結果は、プラークにより汚染され骨欠損を伴っていたインプラント表面に再オッセオインテグレーションが起こりうることを示した過去の研究結果に一致している。重度のインプラント周囲炎の治療に関する類似のプロトコールはいまだ存在しないが、R-Brush を用いたこの2症例は、デブライドメントが骨とインプラントの再オッセオインテグレーションをもたらし、このオッセオインテグレーションはより粗糙化されたインプラント表面でより顕著になりうることを示している」と研究者は記している。
本処置では、有望な結果が得られたことに加え、プラーク除去に対する保存療法(局所的または全身的な抗菌薬の投与とキュレタージの併用や、レーザーおよび超音波装置の使用を含む)と比較して、チェアータイムの短縮という重要な利点がある。研究者の論文によると、1症例においてはR-Brushを用いて8本の露出スレッドが処置され、その所要時間は約4分であった。
しかし、「検討された症例数が少ないことから、記述された方法の有効性については臨床試験によるさらなる調査が必要である」と研究者は結論付けている。

本研究は「インプラント表面の汚染を除去するチタン製丸型ブラシを用いた重度のインプラント周囲炎の治療:臨床的再入に関する症例報告」という表題でJournal of Oral Implantologyの6月号に掲載された。

出典:News Asia Pacific 2017/07/13

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

プレスリリース:オステムインプラント 4年連続フィクスチャー販売量世界1位達成

火. 24 5月 2022

保存する

グローバルデンタルソリューションカンパニーオステムインプラント(代表 EOM TAE KWAN ・ 以下オステム)がフィクスチャー販売量部門で2017年から4年連続で世界有数企業を抜いて首位の座を守った。

ソウル大学歯科病院仲介臨床試験支援センター副センター長を務めている金ボンジュ教授のグローバルインプラント市場フィクスチャー販売量調査によると、2020年オステムのフィクスチャー販売量は472万7309本で世界1位を占め、2位企業よりも140万本以上多く販売された。

金ボンジュ教授は「Dental Implant Competitor Insight 2020:Millennium Research Group」が発表した売上高のデータをベースに、世界有数のインプラント企業の販売量を集計、分析した。

オステムインプラントの昨年の販売量成長率が前年比37%と予想され、世界2位企業との格差はさらに広がるだろうという観測が出ている。

 

◇徹底した品質管理、海外でも認められる

現在オステムは韓国・米国・中国に生産工場を構え年間1650万セットのインプラントを生産している。
オステムは、優れた品質管理システムもフィクスチャー販売世界1位達成に重要な要因として作用したと言う。
オステム側は「不良率100PPM以下を目標として、製品開発から出荷後、インプラント治療に使用されるまで、すべての段階を体系的に管理している」とし「全体の生産人員の20%が平均勤続期間10年以上の品質保証関連業務従事者であり、専門性とノウハウの面で世界的レベル」と自信を見せた。

また、オステムは日本、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、台湾、中国など主要国の厳しい品質認証を取得し、世界市場での優位性を認められている。
その背景には15の分野に分けた専門研究センターを保有、毎年売上の11%以上をR&Dに投じる等、技術開発への投資がある。これらはオステムの表面品質、デザイン、安全性、洗浄品質、ドリル切削力まで、既に世界レベルという評価を受けている要因である。

◇デジタル新製品発売、マウスピース矯正事業進出

オステムインプラントは現在、デジタル歯科を構成する機器や材料、ソフトウェア(SW)をすべて提供するデジタルデンティストリーフルラインナップを構築している。今年はCAD SW、口腔内スキャナー、ミリングマシン、3Dプリンターリニュアル版など新製品を続けて発売する計画だ。

オステムインプラントは今年初めにマウスピース矯正「マジックアライン(MagicAlign)」を発売するなど、歯科矯正分野にも本格進出する。マウスピース矯正で日本はもちろん、中国、オーストラリアなどグローバル市場攻略にも乗り出すという計画だ。

オステムインプラントは現在29カ国30の海外法人を運営しており、海外ディーラーを構築、現在全世界80カ国で製品を販売している。取引歯科は世界5万6000カ所に達する。今年はスペインをはじめ5カ国以上に新たに進出し、海外市場攻略にスピードを上げる見通しだ。ここに海外市場製品の多様化、直販を通じた現地密着サービス、良質な歯科医臨床教育で成長を牽引するという構想だ。

 

◇今後M&Aを通じて世界1位へ跳躍

オステムインプラントは今年から積極的な買収合併(M&A)を検討する計画だ。会社の既存事業とシナジーを出せる分野の企業を買収合併していく2026年には販売量だけでなく売上でもグローバル1位インプラント企業に跳躍するということだ。 世界インプラント市場の約30%を占める欧州市場拠点確保のため、欧州基盤会社に対するM&Aを検討する一方、インプラント市場の約10%を占める南米(ブラジル)市場にある関連企業も注視しているという。

オステムインプラント Eom代表は「持続的な資金創出能力を基盤に、来年からはM&Aを通じて成長を積極的に推進する計画」と言った。

また、「主力製品であるインプラントをはじめ、歯科材料、映像機器、医薬品、SW、インテリアなどの歯科診療に必要なトータルソリューションを完全に提供し、デジタルデンティストリーフルラインナップ構築、歯科業界を先導していく」と抱負を述べた。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

advertisement
advertisement