アルツハイマー病の早期認知低下が歯周炎と関連か

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アルツハイマー病の早期認知低下が歯周炎と関連か

歯周病は、欧米諸国における最もよくある疾病のひとつだ。(Photographs: zlikovec/Shutterstock)
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火. 15 3月 2016

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英・ロンドン、サウサンプトン:高齢の患者によく見られる症状である口腔の不衛生がアルツハイマー病進行のリスク要因であることは、多くの研究により証明されてきた。サウサンプトン大学とキングス・カレッジ・ロンドンの研究者はこのほど、アルツハイマー病患者では歯周炎が認知症の重症度や早期の認知低下と関連するという、さらなるエビデンスを共同研究でもたらした。

 軽~中程度の認知症で、最低10本の歯があり、過去6カ月間に歯周炎治療を受けていない平均77.7歳の非喫煙患者59人が研究に参加した。患者たちは、ベースライン時および6カ月のフォローアップ時に、歯科衛生士による歯の検査を受けた。さらに、炎症マーカーを測定するために血液サンプルも採取された。

 ベースライン時の歯周病の有無は、調査期間中の参加者の認知低下率を6倍上昇させた。ベースライン時の歯周炎も、フォローアップ期間中の炎症性症状の相対的増加に関与していた。研究者らは、身体の炎症反応とリンクするメカニズムを通じて、アルツハイマー病における認知低下と歯周病が関連している可能性があると結論づけた。

 調査は限られた人数で行われたものだったため、研究著者らは、これらの知見がより大きなコホート研究で確認されるべきであるとしている。加えて、歯周炎が認知低下に関連するという詳細なメカニズムが十分に理解されていないこと、また、他の要因が口腔衛生と並行して、患者に見られた認知低下で何らかの役割を果たしている可能性を強調した。しかし、現況でのエビデンスは、歯周治療が認知症やアルツハイマー症の治療にプラスになるかどうか、という調査には十分なものだとしている。

 歯周炎は高齢の人々によく見られる症状で、世界中の35~44歳の成人のうち15~20%が深刻な歯周病にかかっていると世界保健機関(WHO)は推定している。アルツハイマー病患者では、病気が進行するにつれて口腔衛生のケア能力が低下するため、通常よりも高頻度に見られる。歯周病菌に対する抗体レベルが高いと、身体の他の場所の炎症性分子のレベル上昇に関与し、やがて、アルツハイマー病における認知低下に大きく影響することが、これまでの研究で示されている。

 キングス・カレッジ・ロンドン歯科研究所所属で筆頭著者のDr Mark Ideは、「歯肉疾患は英国、米国ともに広範なもので、高齢者においては歯の喪失の主要因と考えられている。2009年、英国の55歳以上の成人の80%に歯周病があった。また、65~74歳の40%、そして75歳以上の60%が、(本来32本のうち)21本以下の歯になっており、そのうち半数では歯周炎が歯喪失の原因だった」と話す。

  “Periodontitis and cognitive decline in Alzheimer’s disease(アルツハイマー病における歯周炎と認知低下)”というタイトルのこの研究は3月10日、PLOS ONE誌オンライン版に掲載された。

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