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AOの年次総会で展示されたJUVORAのインプラント補綴

Invibio社のチーム、AOの年次総会のブースにて(写真:Humberto Estrada、DTI)

ロサンゼルス(米国):ロサンゼルスで開催された米国インプラント学会(AO)の第33回年次総会において、出席者はインプラント治療に恩恵をもたらす最新技術を心待ちにしていた。このうちの1つがJUVORAデンタルディスクだ。これは臨床的に証明されたノンメタルの補綴フレームワーク代用品で、PEEK-OPTIMA製の高性能ポリマーである。初めてのインプラント可能なPEEK(PEEK-OPTIMAポリマーと呼ばれる新しい材料を用いたデンタルディスク)で、Invibio Biomaterial Solutions社が発表した。本材料は15年にわたり、インプラント外科用の生体材料として説得力のある成績を収めてきた。PEEKは優れた柔軟性と、骨と同様の弾性率を持ち、AOの年次総会のテーマである「Inspiring imagination-Enhancing health」に即した材料として注目を集めた。

証明された成功

これは新しく、革新的なインプラント治療領域への参入となるが、JUVORAを用いた補綴フレームワークには、十分な科学的なエビデンスが存在する。これはその基材であるPEEK-OPTIMAポリマーによるものでもあり、かなり以前から医療分野での成功を収めてきた。「医学的背景として、このJUVORAの原材料であるPEEKはおよそ900万人の患者向け機器に使用されており、まさに増殖的に利用されています」と、AOのResearch Submission Committeeの委員長を務める、米国サンアントニオの口腔顎顔面外科専門医Robert Lemke博士は語る。さらに同博士によると、「頭蓋形成から関節置換や再建手術まであらゆる場面で使用されています」。

ポルトガル・リスボンのMALO CLINICの院長を務めるCarlos Moura Guedes博士が、このフレームワークの臨床適用に関する前向き試験を実施、継続中である。同博士は、オーラルリハビリテーション(全顎的口腔機能回復治療)向けに、JUVORAによる補綴フレームワークを患者に合わせることに成功し、有望な結果が得られている。「我々の研究で実施したデータ解析の結果、JUVORAの基礎構造とレジン床を用いたAll-on-4を受けた患者において、1年間の追跡調査でインプラントの累積残存率は100%、平均辺縁骨吸収量は0.37mmを記録しました」とGuedes博士は述べ、さらに「これらは、短期的評価の検討において励みとなる結果です」と続けた。

 

天然物と競える材料の登場

人体の一部を人工材料で交換する治療の究極の目標は、できる限り生体と同様に機能させることである。Guedes博士によると、インプラントに利用可能なPEEKを用いる利点の1つは、その高い生体適合性にある。「PEEKの柔軟性はチタンと比べて改善されており、セラミックのような硬質の材料をPEEK製フレームワークの被覆に使用した場合でも、機械的観点からは生理学的に、より天然に近い挙動が得られます。臨床医としては、インプラントによる修復を自然な歯列に近づける可能性があり、極めて重要なことです」と同博士は語った。

補綴フレームワークにはチタンのような材料が一般に使われるが、柔軟性がなく、緩衝性も低いため、最終的にはフレームワークの破折や、さらにはインプラントの破折を起こすことがある。そこで骨と同様の弾性率があり、生体外では耐破折性と緩衝性の高さが認められているため、患者にとってより軽く柔軟性の高い補綴物となる代替製品がJUVORAから発表されたわけである。「JUVORAの補綴フレームワークは天然歯に似た働きをするだけでなく、より天然歯のような感覚が得られます」と、MALO CLINICの研究開発部および口腔衛生部の部長を務めるMiguel de Araújo Nobre博士は語った。

 

患者の快適性を優先に

日常生活にとっていかに完全な歯科補綴物とするかを考えると、患者の口に適合させ機能させるには特別な注意を払う必要がある。「JUVORA補綴フレームワークの患者にとって重要な利点は、長持ちする可能性のほかにも、その快適性により、さらに高いレジリエンスが得られます」とGuedes博士は説明する。「PEEKフレームワークの剛性はチタンと比べて低く、より生体に近い柔軟性があるため、患者、特に歯ぎしりのような習癖がある患者には、より破折のリスクを軽減させます。これは補綴物のメンテナンスが少なくて済むことにつながり、対合する天然歯列がある場合、天然歯のエナメル質と象牙質の摩耗を減らせます」。

Nobre博士は、JUVORAベースのフレームワークは長期的には成功するはずだが、これをサポートするには、ケア管理の原則に従う必要があると強調する。「患者は、自分の天然歯が残っている場合と同じように適切な口腔衛生の自己管理と定期検査受診を継続する必要があります」と同博士は述べた。「ですが、JUVORAベースのフレームワークを最大限成功させるにも特別なケアは必要なく、患者の天然歯や補綴修復物に必要な標準治療だけで十分です」。

 

AO年次総会におけるJUVORA

Invibio社は、ロサンゼルス・コンベンション・センターで2月28日から3月3日まで開催された2018年のAO年次総会で展示を行った。

 

出典:News International 2018/2/28

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