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【スペシャルレポート】歯周病およびインプラント周囲疾患の新分類 ―歯周病の本質にせまる20年ぶりの大改訂―

By Dental Tribune International
September 10, 2018

6月20日(水)~23日(土)にアムステルダム(オランダ)で開催されたEuroPerio9。今回の注目トピックをお伝えする。

欧州と米国の歯周病学会 合同ワークショップの成果

歯周の健康と疾患、およびインプラント周囲疾患に関するグローバルな新分類体系が、6月22日(金)にEuroPerio9で発表された。ヨーロッパ歯周病学会(EFP)と米国歯周病学会(AAP)が2017年にシカゴ(米国)で開催した合同ワークショップの成果であるこの新体系は、この疾患に関する前回の包括的分類(STAGING & GRADING)以来ほぼ20年ぶりの改訂であり、その間に得られた膨大な量の新たなエビデンスと知識に基づくものといえる。

Maurizio Tonetti教授とDr. Kenneth Kornmanが満員の聴衆を前に司会を務めたセッション「分類に関する世界的ワークショップから得られた最新の知見:歯周病学における決定的因子」は、参加者に、本ワークショップの成果とその臨床上の意義について深い見識を与えるものとなった。

このワークショップには、欧州、米国、オーストラリア、アジアから100名を超える専門家が参加し、世界中の患者に対する治療の標準化を実現するという世界的コンセンサスを得る目的で、既存文献の再検討が行われた。Tonetti教授は、専門家たちの作業の流れが「堅実かつ包括的でオープンなプロセス」であったと賞賛するとともに、その成果は偏りがなく、可能な限り信憑性が高く、「歯周治療の未来を形作るビジョンが反映されたもの」となることを目的としていた、と強調した。

 

世界的に一貫性のある診断方法と管理方法を提供

Dr. Kornmanは、新分類体系が、歯周炎発現のメカニズムに関するよくある誤解を認識した上で、その誤りを暴くものであること、また、歯周治療学の教育と大学のカリキュラムを方向付ける上で有用である点を強調した。また、同氏は、「歯周炎の重症度は、歯に付着しているプラークの量と、付着していた時間の長さの単純な関数ではないこと、そして、この疾患に対する感受性が人によって異なることが分かっている」と語った。

この包括的分類は、最新のエビデンスに基づいており、歯周炎の病期診断および等級付け体系を含むもので、重症度と疾患の程度を示し、生涯にわたる罹患体験や、患者の健康状態全般を考慮したものとなっている。臨床上の健康状態が分類内で初めて定義され、歯周炎は、重症度の軽いものから重いものへと4段階で説明されている。疾患進行率とリスクは、進行のリスクが最も低いものから高いものへと3段階に分類された。この等級付けでは、喫煙や、糖尿病などの合併症のような危険因子が考慮される。

完全なレビューレポートおよびコンセンサスレポートが、EFPの『Journal of Clinical Periodontology』とAAPの『Journal of Periodontology』で同時に公表されている。

AAP会長のDr. Steven R.Danielは次のように語った。「AAPとEFPは、この世界規模の共同作業の成果を誇りに思う。この画期的なワークショップの結果、疾患分類を再設計することができた。これによって、包括的な治療計画を導き、患者さんに合わせた治療を行うことが可能になる。これらは、歯周病の治療と診療の科学的発展に明確な影響を与えるであろう」。

「大事業だったが、臨床ケア、研究、教育のための世界共通語を確立し、過去20年にわたる科学的知見の急速な進歩が盛り込まれるよう1999年版分類体系を更新することが極めて重要であった。この新分類によって、世界的に一貫性のある診断方法と管理方法が提供され、最終的には患者の予後の向上へとつながるだろう」と、EFP事務局長であり、このワークショップのグループ1の共同議長を務めたIain Chapple教授は付け加えた。

 

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