Dental Tribune Japan

隠れたリスク:汚染のないインプラント体の製造に向け、世界的なイニシアチブが必要な理由とは

By Dr. Dirk U. Duddeck, Germany
March 27, 2018

滅菌包装されたインプラントに付着した残留物、特に製造または包装工程で発生する有機粒子が、不完全な骨結合、あるいは初期固定段階での骨喪失をも引き起こす原因ではないかと強く疑われている。(欧州での)CEマーキングや米国食品医薬品局(FDA)による認可がなされていても、歯科インプラントの清潔度の信頼し得る指標にはならないことが近年の試験で示されている。

3編にわたる走査型電子顕微鏡(SEM)研究において、ドイツのケルン大学およびCharité(ベルリン大学病院)の研究者らが、2007年以降、200以上の滅菌包装インプラントを分析した。結果、最新の試験結果および過去数年の比較により、残留物の目立つインプラントが急増していることが分かった。このような不純物に対する生物学的反応への懸念が開業医の間で増しており、法的問題が生じる可能性もある。臨床医にとっての焦点は、不純物に汚染されていないインプラントはどれかを知る方法である。市場には多種多様なインプラントシステムがあり、安全なシステムを見つけることは極めて困難になってきた。

昨年3月、ドイツの国際デンタルショーにおいて、CleanImplant Foundationは、この情報を世界に向けて正確に広めることを目標に掲げた。この独立非営利団体は、Tomas Albrektsson教授(University of Gothenburg、スウェーデン)、Ann Wennerberg教授(Malmö University、スウェーデン)、Florian Beuer教授(Charité、ドイツ)、Jaafar Mouhyi教授(Universiapolis―International University of Agadir、モロッコ)、Dr. Luigi Canullo(開業医、イタリア)、Dr. Michael Norton(開業医、英国)、米国オッセオインテグレーション学会の会長といった、著明な科学者や開業医で構成される科学諮問委員会から成っている。2017年9月、本委員会が清潔なインプラントに関する客観的な評価基準を示し、2年間の品質保証マークを付与するといったコンセンサス文書を発表した。

この新しい世界レベルの品質保証マークの目的は、特定のインプラントが最低限の清浄度基準を満たしているかどうかを、臨床医が一目で理解できるようにすることにある。5つの段階を経た後に包括的で公正な分析を行い、インプラント表面に明らかな有機不純物がないこと、さらに粒子(例えば、銅、クロム、ニッケル、鉄、スズ、亜鉛、青銅、ステンレス鋼、アンチモンなど)の付着がないことが証明されたインプラントには、品質保証マークが付与される。

技術的には、残留物のないインプラントの製造は可能である。しかし、製造上および資金上の理由で品質管理の工程が減らされたりした場合には、CEマーキングあるいはFDA認可済みの製品であっても、低品質の医療機器が製造されることになる。

品質保証マーク付与の過程については、1種類につき5個のインプラントを検査し、そのうち少なくとも2個は実臨床ルートから抜き打ち検査で購入したものとした。審査過程において、科学諮問委員会が分析報告書を選別し、発表する。このような手順を取ることで、本プロジェクトへの資金援助と分析結果が無関係であることを、確実に示せるからである。品質保証マークの開発に向けてすでに実施された諸々の試みとの最大の違いは、2年ごとに同種のインプラントを新たに用いて結果を再評価するだけでなく、この品質保証マークの基準を定期的に厳格化していることである。このため今後数年で、現存の分析論は大幅に拡充されるであろう。

ここでは、汚染されたインプラントと清潔なインプラントに関する数多くの分析結果だけでなく、発生し得るインプラント汚染の種類について、包括的情報を入手するための迅速で簡単な方法が提示されている。本プロジェクトは、低品質の医療機器から患者を守ることに関心を持つすべての歯科医、およびメーカーに対しての公開を行っている。

昨年のヨーロッパオッセオインテグレーション学会の学術大会(スペイン)において、BTI Biotechnology Institute社製のUnicCAと、NucleOSS社製のT6 Implantの2種類のインプラントが、2017~2018年度の品質保証マーク証明書を初めて取得した。3つ目の証明書はそのわずか1週間後に日本で、韓国のインプラントメーカーMegaGen社の第13回年次国際シンポジウムにおいて、MegaGen社のCEOであり現在もインプラント専門医として活動中のDr. Kwang Bum ParkにCleanImplant Foundationが付与した。さらに、さまざまなメーカーのインプラントについて包括的分析が進行中であり、その結果は間もなく発表される。

Albrektsson教授によると、ある記事で彼が10年前に述べた通り、「使用中のインプラントが患者を傷つけないことを単に信じるのみならず、むしろ知らねばならない」という基本的な指針に我々は従うべきである。患者は我々の判断を信頼している。歯科医は、どのインプラントシステムが高品質の医療機器の要件を満たしているのか分かるよう、独自の指針を持っておくべきである。CleanImplant Foundationは、独自研究の結果を歯科医に提供し、分析したインプラントの製造工程の改善状況を評価するため、歯科インプラントの不純物が臨床に与える影響に関する世界中の研究を今後も支援し、定期分析を拡大していく予定である。

さらにコンセンサス文書や詳細な情報、ニュースレターについては、www.cleanimplant.comから入手可能。

出典:News Europe 2017/11/20

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