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舌癌:研究者らが早期診断の有力なマーカーを発見

By Dental Tribune International
May 07, 2018

米国オハイオ州クリーブランド:米国の研究チームによる、特定の細菌と真菌に関する新しい研究結果が、舌癌としても知られる舌の扁平上皮癌のリスクが高い患者に対する予防的検査開発への道を開くかもしれない。科学者らは、疼痛が発現し、病変等、身体症状が認められる前に、より早期に診断し治療するための新しいツールの提供を目指している。患者の予後が概して不良である理由の一つに、発見の遅れがある。

新たな研究により、ケースウエスタンリザーブ大学医学部クリーブランド診療所と大学病院クリーブランド医療センターの研究者らは、マッチングさせた非腫瘍組織に比べ、腫瘍組織において細菌の多様性と細菌と真菌の量が大幅に減少していることが発見された。これは、特定の細菌や菌類が、十分な量に達し、かつ恐らく相乗効果的に作用することで、舌癌の発生に関与している可能性を提起するものである。これまでの調査で、細菌が胃や結腸直腸の悪性腫瘍を誘発することや、細菌と真菌の相互作用がクローン病の発症あるいは悪化の一因である可能性が示されている。

研究の最終共著者であるケースウエスタンリザーブ医学部大学病院クリーブランド医療センター皮膚科のMahmoud A. Ghannoum(マハムード・A・ガーンノーム)教授は、「我々の研究結果は、口腔舌癌のハイリスク患者に予防的検査が実施可能である、ということを示しています。まだ病変の兆候を示していない人に、我々が発見したパターンが認められた場合、早期に治療を開始し、患者の予後を改善できるかもしれなません」と述べている。

舌癌は舌の前方3分の2に発生するもので、急速に患者数を増やしており、現在、口腔内で2番目に多い悪性腫瘍である。舌根部の腫瘍の90%近くは、ヒトパピローマウィルス(HPV)が原因だが、舌癌の症例でHPVが見つかることはまれである(わずか2.3%)。舌癌の原因ははっきりしていないが、恐らく遺伝子変異も関与しており、また、喫煙や噛みたばこ、飲酒、口腔清掃不良もこの癌の発生に関連している。

「口腔清掃不良は以前から口腔癌と関連付けられてきており、口腔のバクテリオーム(細菌集団)とマイコビオーム(真菌集団)の関連性が考えられます」と、ケースウエスタンリザーブ医学部遺伝学ゲノム科学科教授兼副学科長であり、クリーブランド診療所ゲノム医学研究所Hardis(ハーディス)寄付講座教授である最終共著者のCharis Eng(ハーリス・エング)医師は述べている。

バクテリオームが健康に積極的な役割を果たしているという認識は更に高まってきているが、一方で、マイコビオームの研究は十分でなく、舌癌の症例での研究は過去に行われていない。新たな研究において、研究者らは舌癌患者から得た39対の腫瘍組織と隣接する正常組織から組織DNAを抽出した。分析によると、最も多い細菌門はFirmicutes(ファーミキューテス門)で、非腫瘍組織に比べ、腫瘍組織でその量は有意に多く、腫瘍組織48%に対し、非腫瘍組織で40%であった。全体で、22の細菌と7つの真菌の属(種類)の量が、腫瘍と隣接する正常組織の間で有意に異なっており、この中に、Streptococcus(連鎖球菌)があり、腫瘍群で有意に増加していた(正常組織22%に対し、34%)。

「疾病の発生における細菌と真菌間の相互作用を示す研究が出始めています」とGhannoum教授は語る。「したがって、口腔舌癌等の病的状況において、これら二つの集団がどのように影響を与え、どのような影響を受けているのかを理解するために、さらなる研究が必要です」。

本研究は、“Bacteriome and mycobiome associations in oral tongue cancer(口腔舌癌におけるバクテリオームとマイコビオームの関連性)”という表題で、2017年10月19日、Oncotarget誌に掲載された。

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