Dental Tribune Japan

回転切削機器の洗浄・消毒・注油をわずか60秒で終了

By Dental Tribune Japan
December 27, 2016

診療後のタービンヘッド、マイクロモーター、ハンドピース、コントラアングルなどの回転切削機器の消毒方法については、従前より2つの方法が知られている。 1つは、クラスB基準のオートクレーブ、もしくはメーカー専用のコンパクトタイプの高圧蒸気滅菌を行う方法である。もう1つは、高温オイルを注入する殺菌洗浄機を使用する方法である。 しかしながら、この方法は各機器の消耗部に対するダメージもあり、保険診療を主とする診療体制では、時間や経費などといった解決できない問題点も多い。

新しい発想の回転切削機器の消毒方法とその効果
ヨーロッパでは最近、簡単で短時間に、機器を傷めずに回転切削機器内部の消毒と注油を可能にした製品として、「オロリンイントラ」(スイス・OCC 社/佐藤歯材㈱)が発売された(図1)。
使用方法は、図2〜7のとおりである。作業時間はわずか60秒で終了する。
タービンヘッドは各社接続部分のデザインが異なるため、それぞれの別売りアダプターが必要になる(図8a〜f)。
マイクロモーター、ハンドピース、コントラアングルは、接続部が各社共通規格のため、製品に付属しているアダプターで全社製品への使用が可能である(図1右)。
薬液成分は、1-プロパノール、エタノール、薬用油、精製水であり、その効果はヨーロッパ衛生規格EN14476、RKI(ドイツ国立ロベルト・コッホ研究所)およびDVV(ドイツ ウイルス疾病管理協会)が定めるガイドラインに準拠しており、歯科治療で感染が危惧されるウイルス、細菌に対して十分な殺ウイルス効果、殺菌効果がある。
これら薬液成分のウイルスへの有効性のメカニズムを図9〜13に示す。
さて、いわゆる芽胞形成菌についてであるが、病院内感染で問題となる細菌にクロストリジウム・ディフィシルがある。しかし、これは人体では腸内に存在し、口腔内には存在しない。排便の取り扱い処理が必要となる入院設備のある病院では、院内感染のリスクが生じるが、一般歯科診療所では感染の危険性は少ないと考えられる。
参考までに、他の炭疽菌や破傷風菌などの芽胞形成菌は土中に存在する。したがって、土足のまま患者が診察を受けるスタイルの診療所では、靴底の付着物から芽胞や種々細菌がもち込まれる可能性があるため、感染制御の観点から考えるとあまり推奨できない。

回転切削機器の外部の消毒方法
回転切削機器外側の消毒については、従前から発売されているデンティロワイプス、イソラピッド(ともにスイス・OCC 社)など、アルコール系混合物消毒剤による清拭で短時間に消毒が終了する。これらの製品はすでに多くの診療所で用いられているが、効果のメカニズムの概略は図9〜13と同様であり、非常に短時間で消毒可能である。もちろん、椅子、テーブル、スピットン、レーザー装置、ライトなどの機器表面の消毒にも使用できる。
これらヨーロッパ製の機器表面用消毒剤に含まれるエタノールの濃度は55%以下に抑えられ、アレルギー反応が出ないように規定されている。日本では消毒用アルコールの濃度は70%とされているが、ヨーロッパのエタノール系消毒製剤はイソプロパノールや4級アンモニウム化合物などを低濃度で混和し、相乗効果で消毒機能を高めている。

アロマの香りの消毒剤
最近、機器表面用消毒剤に好みのフレグランスを加える製品も開発・販売されている。フレグランスには、アマロ、アトランティック、ココバニラ、フラワリー、グリーンティー、リメッタと名前が付けられた6種類の製品(図14:サンセプト281 /ドイツ・プリズマン社)があり、それぞれがアロマ効果を有する。
使用方法としては、原液2.5Lにチョイスしたフレグランスを25mL 加え、好みのフレグランス消毒剤を作るという簡易な方法である。
製品メーカーでは、ハイエンドクリニック向きの消毒剤と位置づけており、ヨーロッパでは人気の製品である。使用後の感想として、お気に入りの香りが消毒後にもほのかに残り、患者にもたいへん好評である。

佐藤文昭
東京都・佐藤歯科医院

デンタルダイヤモンド2015年9月号「臨床に役立つすぐれモノ」

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

© 2019 - All rights reserved - Dental Tribune International